福島県教育センター所報ふくしま No.54(S56/1981.12) -013/034page
〈研究報告〉昭和55年度 学校経営(B)講座
研修意欲を高める共同研究の進め方
会津若松市立行仁小学校 教諭 森田慶一1 研究の趣旨 本校では,昨年から,教育目標「知性豊かでたくましい子」にせまる「確かを学力の向上」を図るため,「ひとりひとりが喜びをもって学習できる指導過程の研究」というテーマを掲げ「教育機器をどう活用したらよいか」という観点から研究を進めてきた。
しかし,昨年(第1年次)の共同研究の反省によると,実にさまぎまな問題点が指摘されている。その中から,研究の意欲に関するものを挙げると,次の2つにまとめられそうである。
(1)特定の人の負担が過重になり,他の人は,まかせきりのようを態度をとりがちである。
(2)互いに意見を出し合い,みがき合うべき研究協議会も,一部の人の発言によって進んでしまい,全員が積極的に研修しているとはいい難い。
この2つのことは,「研究の成果の自覚や,新しい認識を得た」という喜びの乏しさを招き,さらに,「各人の課題意識を弱め研修意欲を削ぐ」という悪循環を引き起こす恐れを感じさせる。なぜなら,研修意欲と研究の成果の自覚とは,互いに強く影響し合う密接な関係をもっているからである。
そこで,自分が,研修主任である立場から,研修意欲の阻害要因についてさらに詳しく調査・分析し,改善の手がかりを得て,それを共同研究の進め方に生かし,実践的に検証しつつ,より確かを方策を見い出したいと考えてこの主題を設定した。2 見通し
共同研究の中で,役割分担を明らかにするとともに,共通理解を図るための方策をくふうすれば,共同研究への関心が深まり,研修意欲も高まるであろう。3 研究の方法と対象
(1)研究の方法
@ 研修主任としての指導技術に関する理論研究
A 実態調査と問題点の分析
ア 研修意欲についてのさらに詳しい実態調査や意識調査
イ 「昨年度の研究の反省」の再分析
B 研修意欲の阻害要因に対する方策の仮定と実践による研究
C 実践の結果の評価と研究のまとめ
ア 意識調査による意識の変容調査
イ 研究協議会等への参加の状況の調査
ウ 評価とまとめ
(2)研究の対象
本校職員 23名
(校長,教頭および授業担当教員)
(3)研究の手順
@ 研究構想の策定 5月
A 理論・文献研究 6〜7月
B 実態調査の実施 6・11月
C 問題点の分析と改善策(仮定)の整理 6月
D 改善策による実践・検証 7〜11月
E 考察とまとめ 12月4 研究の結果と考察
(1)第1次調査の結果と考察
1 研修意欲に関する調査
本年の共同研究のための授業研究の開始に先立って,研修意欲に関する次のようを調査をして考察した。 ア 新しい考え方や指導技術を身につけていくことについての意欲はどうですか。
(91%:回答率以下同じ)