福島県教育センター所報ふくしま No.54(S56/1981.12) -018/034page
〈研究報告〉昭和55年度 学校経営(B)講座
習熟度別学習を中心とするカリキュラムの編成福島県立郡山高等学校教諭 伊 藤 良 夫1.研究の趣旨
本校は昭和52年4月に開校され,今年で創立5年目を迎えた全日制普通科男子高校である。1学年6クラスで大部分が大学進学を希望している。学力の面からみると郡山地区では安積高校につぐ高校である。高校入試の成績でみると安積高校にも入れた生徒が毎年60〜70名位入ってきている。その数は年ごとに増えている。このようを生徒集団を受け入れた本校では生徒の持っている能力を少しでも引き出そう,より一層学習意紙を高めようと種々の学習指導の研究と実践を重ねてきた。もう少し学習意欲があり,もう少し基礎学力が身についていれば安積高校に入れたであろうと思われる生徒たちの学力向上のために数学科では昭和53年より学習指導の一環として習熟度別学習を導入してきたが,これにならって英語科でも昭和55年より2年生次で実施している。教務部を中心として教育課程委員会,数学科,英語科等でプロジェクト・チームをつくり,この問題に取り組んでいる。この問題点をさぐり,明らかにして習熟度別学習を中心とするカリキュラム編成の手掛りとしたい。
2.見通し
習熟度別学習のあるべき姿を理論的に明らかにし,本校における実践上の問題点を明確にすれば,カリキュラムの改善点が明らかになろう。
3.研究の方法と対象
- (1)研究組織
- (2)研究の方法
1 習熟度別学習についての理論的研究
2 どのようにして習熟度別学習を本校に導入したらよいか。
3 調査の内容習熟度別学習についての本校職員及び生徒の意識調査
- (3)研究の対象
本校職員(40名)本校生徒(868名)
4.研究の結果と考察
(1)習熟度別学習について
1 新しい学習指導要領の改訂に当たって教育課程審議会が打ちだした4つの基本方針,
ア.特色ある学校づくり
イ.個性を生かす教育
ウ.ゆとりある学校生活
エ.勤労体験の重視
特にこの中の「イ.個性を生かす教育」に対応して,高等学校・学習指導要領・総則第7款の6の(5)に「各教科・科目の指導に当たっては,生徒の学習内容の習熟の程度をどに応じて弾力的を学級の編成を工夫するなど適切を配慮をすること。」と定められている。
これは能力・適性・進路等の多様化した生徒に対し,ひとりひとりを尊重して個性の伸長を図るために,各教科・科目の指導に当たって配慮すべき事項を規定したものである。その具体的を方法として考えられるものに学習習熟度別学級編成,グループ別学習,個別学習があり,更に教育機器の活用,プログラム学習,チームティーチング,課題の与え方の工夫,特別時間の設定等があるが,その実施に当たっては種々の面から生徒の習熟程度をどに応じた適切を指導を行うことに留意する必要がある。
なお,これは従来の学習指導要領においてもその趣旨は示されていたものである。すなわち,昭和45年10月に告示された学習指導要