福島県教育センター所報ふくしま No.54(S56/1981.12) -020/034page
(資料1)
昭和52年度(1年生)実力テスト度数分布表
教 科 数 学 英 語 国 語 階数\回 1 2 3 1 2 3 1 2 3 90〜99 6 5 80〜89 17 1 3 7 2 70〜79 49 3 15 45 2 2 2 60〜69 75 6 27 82 7 2 1 20 50〜59 74 6 25 71 25 4 23 25 57 40〜49 42 31 40 42 63 9 90 88 108 30〜39 11 54 37 23 90 30 105 104 75 20〜29 5 69 39 8 51 74 56 25 9 10〜19 58 57 1 6 122 5 3 3 0〜9 15 26 31 平均点 58.7 28.0 36.7 57.1 37.8 20.5 37.3 39.3 44.7 標準偏差 13.9 14.0 22.6 14.1 11.2 12.2 8.7 8.5 9.8 (資料2)
昭和53年(2年生)定期考査のコース別変異係数
\ 科目 数 学 I 数 学 IIB \考査 1 期 2 期 1 期 2 期 コース\ 中間 期末 中間 期末 中間 期末 中間 期末 練 成 19.8 22.1 23.5 25.6 19.1 20.4 26.3 19.4 基 礎 39.1 41.0 29.1 28.9 33.2 30.5 40.1 26.6
一般に基礎コースの分布が練成のそれにくらべ大きいが,2期末では30未満に収まっており,コース分けは一応成功したものと思われる。
2 改善の視点本校で実施してきた習熟度別学習はこれでいいのだろうか,その改善点をさぐってみる。
ア.3年生次にをって初めて進路別によるクラス分けを実施しているが,2年生次より文系・理系に分け,目的意識を持たせ,合わせて習熟度別学習を実施したら,より一層学習意欲を高めることができるのではないだろうか。
イ.教授者に進路指導と習熟度別学習の成果を連結させて満足感を持たせる方法の検討。
これは数学科の報告にでてきたことだが,2年生次に数学を教えて大変伸びた生徒が3年生次にをって数学を必要としか、文科系のクラスに行ってしまう例がかなりあり教授者ががっかりしてしまったと言っている。
ウ.2クラスを基礎コースと練成コースに分けているが,工夫の余地はないものだろうか。
習熟度別学習を取り入れた学校では,この学級編成に相当工夫をこらしている。
エ.習熟度別学級編成のクラス分け資料の検討。
定期考査・実力テスト等の結果によって分けるのではなく,いつ,どんなことでつまずいたのかがわかる,いわゆる「つまずき診断テスト」を作成し,この資料をもとにしてクラス分けを行い習熟度別学習を行ったなら,より一層,個別指導が徹底するのではないだろうか。
オ.評価方法の検討
評価方法を工夫することによって「劣等感」が解消できるのではないだろうか。基礎コースの生徒でも「5」の評価がもらえたら,そして練成コースの生徒でも「3」や「2」がついたらどうであろうか。3 1年生でのひとつの試み
昭和55年度入学生を迎えるに当たって,3月末に学級担任・教科担任が内定した段階で英語・国語・数学の3教科で卒業までの「3か年学習指導計画」を作成し,学年会で検討した上,その要点をまとめ1年生全員に配布した。「基礎学力の充実」を基本方針とし,4月以来「中学校1年生よりやり直そう」とよびかけて,スロースタートではあるが,幅広い基礎学力の充実につとめてきた。英語の場合はアルファベットの正しい書き方から始めた。
夏休みの長期課外を迎えるに当たって英語・数学の学習方法を従来本校で実施してきた習熟度別学級編成で実施し,数学科の報告と合わせて今後の参考にすることにした。父兄並びに生徒の十分を理解をはかった上で行い長期課外の最終日にアンケート調査を行い,合わせて学習習熟度別学級編成の予備知識を与えておいた。