福島県教育センター所報ふくしま No.54(S56/1981.12) -021/034page
「習熟度別学級編成による長期講習会を受けてみてどうであったか」
上記のほかにもいろいろの項目について調査してみた。例えば「2学期以後,練成と基礎コースに分けて授業を進めていくとしたらどう思いますか」等,効果及び生徒の心理状態についても調べてみた。
数学科の以前の報告と今回の調査結果を検討し,数学科で計画していた2学期からの習熟度別学級編成の実施を見合わせた。4 改善点
教務部を中心として教育課程委員会・学年会・教科会等で新教育課程の審議と並行して習熟度別学習についても検討を続けてきた。更に職員会議において「本校における習熟度別学習の問題点」の提案と審議の結果,次のような点が改善された。
ア.昭和57年度より実施予定の新教育課程を一部先取りして,昭和56年度より2年生で実施することになった。
2年生次より文系・理系に分け,文系では英語を,理系では数学を習熟度別学級編成で行うことになった。こうすることによって,2年〜3年まで目的意識を早くから持たせて継続的に習熟度別学習を取り入れて指導することができる。
もちろん習熟度別学級編成での学期ごとの一部入れ替え並びに3年生になったときの文系と理系の一部移動は行う。
イ.昭和55年度入学生の進路志望が1年終了時で文系と理系で丁度半々になったので,6クラスを文系3クラス,理系3クラスに分け,更にその3クラスを基礎2,練成1の割合で習熟度別学級編成を実施した(昭和56年4月より2年生次で実施し,この成果については定期的に資料を作成しながら検討を重ねている。)
ウ.つまずき診断テスト問題の作成については,英語科で作成にとりかかった。
概略は次のようになる。
中学校の学習内容を9段階(各学年,各学期毎)に分け,どの時期に,どのような事項でつまずいたかが診断できるようをテスト問題の作成とその後の指導対策である。各段階100題程度の問題を作り,その解答の内容によって,どこからやり直したらよいかを指導するのである。そしてひとりひとりの英語の学力のカルテを作成する。
更に次の段階へ進ませるプログラム学習の教材作成という課題がある。従来のようを「紙とエンピツ」だけでなく,「目と耳と口と手」を使う方法,すなわち,ビデオやLLを使った方法を取り入れたいと考えている。幸い,LL装置が昭和56年3月に設置され,英語科教員2名が視聴覚教室に常駐し,LL装置の運用に当たっている。
エ.評価の方法
習熟度別学級編成を実施するに当たって教授者が懸念することは「劣等感の解消」だと思う。
これはコースごとに評価を行うことによって,ある程度解決していくのではないだろうか。習熟度別学習を実施するのなら,その評価は個々の生徒の習熟度の程度に対して与えるべきものだと思う。各自の到達目標を決め80%以上達成したら,基礎コースにいようと練成コースにいようと〔5〕を与える。ただし,指導要録の記入は「基礎コースの5」等と記入する。この問題は今後の研究課題となった。
(3)本校職員の習熟度別学習についての意識の変化
研究テーマを「習熟度別学習を中心とするカリキュラムの編成」に決めてから,先生方がどの程度「習熟度別学習に関心を持っているか」をアンケート調査してみて驚いた。本校では昭