福島県教育センター所報ふくしま No.54(S56/1981.12) -026/034page
○「おに」あそびをする。
「ごんべさんの赤ちゃん」を原曲にし、歌詞をかえて、身体表現をする。話し合いをして、「おに」になる動物を決め、模倣動作を自由にさせ、それらの中から動きを決めていく。大きを声で歌いながら、楽しみのうちに発語を促す。なんとなく参加している児童には声がけや手をとって、ゲームに意欲的に参加させる。
〈曲の構成及び動き〉
「山から○○おりてきた」(3回くり返す)
→動物の模倣をする。
「みんなでいっしょに、いまなんじ?」
(2回くり返す)→「おに」を囲む。「よなかの12じ!」→一斉に、にげる。 ○ スキャット体操
調子のよいゴーゴーリズムで、スキャットのことばで歌われた、おどり出したくなるような軽快を曲である。楽しくおどりながら、いろいろを動きを覚え、動作の拡大を図る。
〈曲の構成及び動き〉
4 教師の役割
T 1 が児童全体を見ながら、大きめに身体表現をして学習活動を進めると共に、精一杯がんばっている児童を賞賛して意欲づけを図る。T 2 は、テープをまわしたりタンバリンを打ちながら、動きのにぶりがちを児童に声がけをして動く。
T 3 は、集団活動に参加が難しいY君と行動を共にしながら、声がけをして友だちのようすを見るようにさせる。3、おわりに
音楽に合わせて、次から次へと身体を動かしていこうとする体験学習は、ある時、新しい動きを見せてくれた。階段を片足ずつ交互に動かして降りられるようになった者、声をかけられると足の裏全体で歩けるようにをった者、そして、教師の模倣をできないまでも、じっと見入ったり手足を少しずつ動かし始めた者が出てきたのである。外界の刺激を自分のものとして受容し、その児童なりに反応し始めたのである。
また、どの児童も「リズム学習」をとても楽しみにしている。精神薄弱児にとって、音楽は、自己表現の場を与え、情緒の安定・協調性や集団参加能力を高め、さらに、身体的反応動作を敏速にすると思われる。
今後、子どものリズム感にあった動きをさらにとり入れて、リズミカルを動きを促すための学習教材を創作し、題材として楽しい活動をさせながら、より望ましい心身を育てていきたい。