福島県教育センター所報ふくしま No.54(S56/1981.12) -031/034page
業の単純化・集中化を図る。
(ウ) 生徒に考えさせる時間をできうる限り与えるとともに、授業中活動する場面を必ず設定する。(作業・実験・実習等)
(エ) 能力に応じた学習活動を位置づけるとともに、個別指導の時間を設定する。
(オ) 評価をしながら進める。
以上のことなどを配慮しながら授業を組織し、生徒主体の学習方式をとるよう各教科担任の共通理解を深め、特に生徒の活動をできるだけ多く取り入れた指導法を工夫することにした。また、指導過程の各段階において、教師のたくみな発問や誘導によって「考えざるを得ない場」「活動せざるを得ない場」を作り生徒をおいこむことが「ゆとりある充実した授業」の根源である。
中学校においては、各教科の特質を生かしての授業は当然考えられるべきであるが、生徒の活動を重視した学習活動によって学習のねらいを達成するために、各教科共通して考えられる「わかる授業」の構造化を図り授業を実践してきた。(各教科の指導例は、紙面の関係で省略する)
〈図II〉「わかる授業」の構造図
オ、教育的活動、(学年活動)
本校では、以前から「全校活動」として、学年のわくをはずして勤労的活動・情操的活動を主に実施してきた。
それは、生徒の特質を調査した結果
(ア) 自主性に乏しい
(イ) 集団意識に欠ける
などの問題点を含んでいたからである。
このようを実態をふまえて、表IIのように年間70時間の「教育的活動」を次のように活動をする場とするよう基本方針を設定した。ア 学校・学年・学級において創意工夫し、実践的場面をとおして自己実現を図る場とする。(集団の中での自己実現の場)
また、昨年度より「学年活動」と称し、その活動のねらいを次のようにおさえた。
イ 生徒に自主的・自発的な活動の機会を与える場とする。
(生徒の自主的・自発的活動の場)
ウ 生徒の実態や教師の意図によって活用できる時間で、総合的活動の場とする。
(総合活動の場)
エ 年間の各教科等のわくからはなれた、自由な立場から生徒が喜んで活動できる場とする。 (年間の三領域以外の場)ア 学校生活にリズムとゆとりを与え、より豊かを人間性を育てるための活動であること。
〈学年活動の内容〉
イ 生徒の自主性・自発性または創造性を最優先に考え、協調性や親和感を育てる活動であること。
ウ 学校生活全般の関連を図りながら、特に生徒の企画・運営によって自己実現の喜びや満足感が得られるようを活動であること。
エ 教師と生徒・生徒どうしのふれあいのある活動であること。
以上のねらいを達成するために次の活動を柱として進めている。
○人間性豊かな「心」を育てる読書活動 情操豊かを人間の心情を育てるために、静かな雰囲気の中で本を読みひたらせ、読後においては、書籍名・著者名それに感想を各自の記録表に記録させ発表会などを計画的に進める。
○教師や友と汗を流しふれあいのある勤労活動