福島県教育センター所報ふくしま No.59(S57/1982.12) -004/038page
2 ジョブ制御文
ジョブの流れでは,ジョブの投入から終了までを概観したが,このようなジョブスケジューリングを行うのがジョブ管理と呼ばれるプログラム群である。0SIV/F4では,利用者から依頼された複数のジョブを同時併行処理する多重プログラミングを実現しているが,このためには,上記ジョブ管理機能に加えて,cpuや主記憶装置の割り当てなどを管理するタスク管理機能,およびデータの入出力や補助記憶装置上のデータを統一的に管理するデータ管理機能をもったプログラム群がある。これらジョブ管理・タスク管理・データ管理と呼ばれるプログラム群を制御プログラムと呼んでいる。
制御プログラムが,その機能を遂行するためには,さまざまな情報が必要である。これらの情報は.利用者がその必要性に応じて制御プログラムに与えなければならない。利用者が作成した制御プログラムに与える情報がジョブ制御文である。
OSW/F4が必要とする主要なジョブ制御文はつぎの三種に大別できる。
(1)JOB文
ジョブの始めを示すと同時に,ジョブの名前,ジョブの属性などの情報を記述する。
(2)EXEC文
ジョブステップの始めを示すと同時に,実行に必要な処理プログラム名,必要な主記憶のスペース,cpuの使用時間などの情報を記述する。
(3)DD文(data set definition)
ジョブステップで使用するすべてのデータセットについての情報を記述する。
DD文で記述する情報は,JOB文やEXEC文に比し数多くあるが,主要なものはつぎのとおりである。
1.装置名
データセットが,MT,ディスク,カードなどの各種装置のうち,どの装置上に置かれているのかを装置名で指定する。
2.ボリューム通番
MT,磁気ディスクなどは,各ボリュームに通し番号をつけておき,必要とするデータセットが存在するボリューム通番を指定する。
3.データセット名
磁気ディスクのような大容量の補助記憶装置では,非常に多数のデータセットが記録されている。利用者は,データセット名を指定さえすれば,データ管理が,VTOC(データセット名とそれが記録されているアドレス情報との対応表)を参照することによって,必要とするデータセットにアクセスできる。
4.dd名
dd名は,多数のDD文を識別するためにそれぞれのDD文につけた名前である。
このdd名は,処理プログラム上の装置指定と同じ名前でなければならない。これによって,処理プログラムで指定した入出力装置は,実行時に使用する入出力装置と対応づけられるのである。
5.その他
処理プログラムが出力する実行結果を記録するために必要とするスペース量,新規作成追加作成・作成済な,使用前のデータセットの状態,データセットのレコードの記録状況(レコード長,ブロック長などデータ制御ブロックに必要な情報)などを指定する。
おわりに
ジョブ制御又は,バッチ処理に与える制御情報である。TSS処理,カタログ等々についてふれることができなかった。今後,センターのシステムを活用され,OSにもふれていただきたい。
参考資料 「オペレーティングシステム」 江村潤朗著 オーム社