福島県教育センター所報ふくしま No.59(S57/1982.12) -011/038page
引きを単独で行った。店員に発見された。○警察で取り調べをうけた。2年の男子。教師に対して不信感をもち,学力も劣っている。学級担任からの依頼で「教育相談係」が教育相談室へ呼び出して相談をするところ。
。監督・・・・・・所員
。演技者,観客・・・・・・研修生(20名)
アクション 実施後の所感 最初の演技
(教師は室内で椅子にすわっている。ドア-をノックして生徒が入ってくる。)
教師:やあ,よくきたねこちらにきて,すわりな。
警察に行ってきたんだってどうだった?
生徒:うん,こわかった。
教師:警察に呼ばれたのは初めてかな。
生徒:うん。
教師:万引きをして見つかったのは何回かあるんだろう。
生徒:お店の人にみつかったのは,はじまてです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
教師:どうして万引きをしたの?
生徒:おもしろくないから
教師:そう
生徒:だって,学校で先生に叱られて おもしろくないと思っていたのに,家に帰るとお母さんが「勉強しろと言った。
おもしろくないから,だまっていたら,何回もしつこく言うから, 「やかましい。」といって家から出て・・・・・。行くところがないから○○デパートに行ってぶらぶらしてみているうちに・・・・・・。つい・・・・・・。
教師:そう,つい・・・・・・
生徒:つい・・・。かあっとなって・・・・・・。・主題については監督から提示し全員で話し合うなかで問題を明かにしていった。
・即興的に役割を演ずることに対して,かなりの抵抗が認められたのでウォーミング・アップにかなり時間をかけた。その中で,教育相談的なかかわり合いとはどんなことかを体験を通して理解していくことが話の中心になった。
・演者の役割体験についての感想があいまいだったりまとまらなかったりすることがみられたが,VTRの利用ができれば良かったと思う。
・ロール・プレイングは,演劇的ではないので,うまくやろうと考えずに,自然な態度で演ずればよいということがわかりにくいようであった。
・今回は初心者なので所員が監督を行ったが,監督はかなり体験と理論が必要である。(演技修了)
第二演技
(教師役と生徒役が入れかわって演技する)
第三演技
(生徒にきびしく指導する場面を演技する)
討議と評価・参加者の感想や意見をもとに役割を演じさせた。
・観客からの意見の中に生徒を甘やかすのではないか。もっときぼしく指導してはどうかというものがあった。それを取り上げて演技をおこなった。3 まとめ
参加者から次のような感想を寄せられた。
。様々な立場,境遇の人間理解に有効だったと思いました。最初.目的などが不明でしたが,いろいろなケースを実習していく中で自分なりに理解したつもりです。ありがとうございました。
。今回の講座では最も興味深く,教室でも場の設定がうまくいけば,生徒にも充分活動させ得ることができる。自分の役割になり切れる自分とそうでない自分の発見が最も難しいし,又,プレイの核心であると思う。
ロール・プレイングは役割を演ずることによって『らしくふるまう(外林大作)』ことを学習していくことと考えると 誰でも容易に実施できる技法である。また利用場面も多く考えられる。教育におけるロール・プレイングの利用も盛んになってきている。各教科及び道徳・特別活動等にも取り入れられて効果を上げた実践報告も多くみられるようである。
参考文献
・教育の現場におけるロール・プレイングの手引
・心理劇の理論と技術