福島県教育センター所報ふくしま No.59(S57/1982.12) -020/038page

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調査1 第2次・共同研修に対する意識調査
1 共同研修を進めて,あなたの役に立つことがありましたか。

(調査12月)

(調査12月)

2 共同研究に参加しての感想は(記述式)
ア、 教材研究不足を感じた。 (32%)
イ、 学習指導の向上に役立った。 (27%)
ウ、 授業研究などもっと多くしたい。 (13%)
エ、 教科書会社の指導書に頼りすぎ。 (7%)
オ、 指導案づくりのむずかしさ大切さがわかった。 (7%)
カ、 その他 (14%)

く考察>
 第1次調査の段階では,共同研究そのものについての理解が不十分なまま,観念的にその必要性を語っていた感がある。しかし,その裏には,未知のものに対する不安を持った若い先生も多かったと推測できる。第2次の諸調査からみられる成果は,具体的に自分とのかかわりを指摘しながら,その必要性にふれていることである。

調査2 研究推進の過程に「基礎研修」をとり入れた効果について。
 1 「基礎研修会」を行うことによって,特に役立ったと思うことがありましたか。(記述)
ア、 学習過程の組みたてがわかった。 (32%)
イ、 具体目標のおさえ方がわかった。 (11%)
ウ、 資料の提示や教育機器の活用のしかたがわかってきた。 (11%)
エ、 その他 (板書,学習作業のさせ方、発問助言のしかた,評価の活用,児童の実態のとらえ方など) (46%)

<考察>
 調査1に関連する内容で,自分とのかかわりからの価値判断であるため,数量的に処理することには無理が感じられる。しかし,経験の少ない先生が研修内容をできるだけ吸収しようとした意欲が解答の言葉の中に確認できたことは確かである。

5.まとめと今後の課題
 以上述べてきたことは,私の勤務校において生じたものに対する一解決の方法を示したにすぎない。それも,実践の方法「形式」を記述するにとどまっている。もっと具体的に実践の跡を述べるべきであったと,工夫の足りなさを反省している。若い先生の最近の姿勢には,
(1) 積極的に発言するようになったこと。
(2) 研究会では,何かをとらえようと期待する姿勢がみられること。
(3) 検証授業などあまり苦にせずとりくむようになったこと。
 などをうかがいとることができる。このような方法を実施することによって,そのための問題も生じている。
 そこで,今後の課題は,
(1) 主題追求の時間がかなり削減され,推進についても冗漫な状態が生じやすい。したがって,運営計画を検討する場合には,必要事項の精選を十分に行ったうえで計画していかなければならない。(研究の方向を見失うことのないよう心がける)
(2) 基礎研修の内容については,日々の授業へのはねかえりだけを考えることなく,研究推進に必要であることを認識し,重点的にとり扱うようにする。
(3) 職員構成の移動,学校経営全体の運営に合わせた計画を検討する必要があること。以上のことなどを十分検討し,さらに発展した計画をすすめていきたいと考えている。

6.主な参考文献
 学習指導の手引き 福島県教育庁義務教育課
 授業展開の手引き 同
 教育研究の実践  福島県教育研究所
 授業研究事典    開隆堂
 その他      


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