福島県教育センター所報ふくしま No.59(S57/1982.12) -021/038page
<研究報告>昭和56年度 学校経営(B)講座
生きがいのある充実した学校生活をめぎす
教師と生徒の人間関係いわき市立植田中学校 教頭 塩 正 守
(前内郷第二中学校教諭)1.研究の趣旨
生徒一人一人の自己実現を図り,生きがいのある充実した生活を送ることができるよう指導援助する機能が生徒指導である。
しかし,現実の姿は
(1) 日常生活のしつけや事故防止対策に追われている。
(2) 学校生活の基礎となっている教師と生徒の人間関係についての科学的調査の分析と,それへの本格的取り組みは遅れている。
(3) 教師によって学校生活が楽しくなったり,教科が好きになったり,教師の一言で生活態度が変わったりする事象がみられる。
このようなことから,教師と生徒の人間関係は各種調査をもとに早急に改善への努力が図られなければならない。
このため
(1) “生徒からみた教師のリーダーシップ”の調査をもとに問題点を明らかにする。
(2) 生徒指導の本質から,教師や生徒への働きかけはどのような視点から,どう行ったらよいか。以上2点を柱にして,教師と生徒との望ましい人間関係を確立するための主題を設定し,研究することにした。2.見とおし
PM尺度調査や教師と生徒の人間関係調査を資料にして教育相談を充実すれば,一層の相互理解が深まり,望ましい人間関係が確立されるであろう。3.研究の方法と対象
(1) 研究の方法
1 望ましい教師と生徒の人間関係についての文献研究
2 「リーダーシップPM尺度調査」に基づく指導類型調査
3 「教師と生徒の人間関係調査」に基づく実態把握
4 教師への働きかけによる変容調査
5 教師と生徒との人間関係の検討
6 実践の評価と今後の課題
(2) 研究の対象
生徒349名 教諭18名4.研究の結果と考察
(1) PM尺度調査
1 調査目的
PMリーダーシップ論に基づき,生徒からみた教師のリーダーシップについて検討することを目的とした。
2 調査対象
349名(6月,12月の2回の調査人員は同一にした。)
<内 訳>
学年 男 子 女 子 計 1 55 47 102 2 77 51 128 3 50 69 119 計 182 167 349 3 調査方法
ア、質問紙法をとりP尺度(目標達成機能)M尺度(集団維持機能)のそれぞれに10項目の質問文を作成し,回答を5点評定尺度で点数化した。
イ、6月に全学級を対象に第1回目の調査を行い,PM型,pm型よりそれぞれ1学級を選び,12月に第2回目の調査を実施その変容をみることにした。
4 集計と考察
ア、策1回日(6月)の調査より