福島県教育センター所報ふくしま No.59(S57/1982.12) -024/038page
<考 察>
・ 教育相談的な態度をみることができるのは,問4,6,8,9,10となっているが,D組とG組を比較すると次の表のようになっている。この表から生徒の立場になって考えてくれるのはD組の教師であると生徒は思っている。
(図表10)教育相談的態度の比較表
問 D 組 G 組 D−G 4 3.4 2.2 1.2 6 3.6 2.2 1.4 8 4.1 2.6 1.5 9 3.8 2.1 1.7 10 4.0 2.3 1.7
しかし,年齢差・男女差などや,価値観の変化の激しい中学生にあっては,この資料だけで即断することは危険である。
・ G組は第1回目の調査と比較すると.問4,6,8,9.10の数値が上昇していることは教育相談的な態度がとられていることを意味している。
D組で前回より少し落ちこんだのが「机間巡視と個別指導」である。生徒の学力の実態をふまえて指導の手を必要とする生徒にしぼってきたためと思われるが,教師の一言で勇気づけられたり.学習意欲をもつことがある。机問巡視と声かけは大切にしたいものと思う。
・ G組の生徒は「学習中の教師の説明がよくわからない」ことをあげている。これは生徒不得意教科の教科担任が学級担任であるため,このような結果になっているようである。基礎学力が低いうえに,家庭学習もやらないとあっては授業中の教師の話が理解できないのは当然であろう。これは教師より生徒側に問題がある,といえよう。(2) カウンセラーとしての基本的態度のチェックリスト
面接の際のクライエントに対するカウンセラーの態度は教育相談の成否のカギになる。
ロジャーズは、1(丸囲み)人間的な誠実な態度(自己一致)2(丸囲み)無条件積極的尊重(受容) 3(丸囲み)共感的理解,この3つの態度で接すれば,クライエントの人格は必ず健全な方向へ変化していく,といっている。実際の教育相談において効果をあげるためには,基本的態度をチェックリストにより評価・反省をして,カウンセラーとしての資質の向上に努めなければならない。またこれが教師と生徒の人間関係を深める大切な要素となる。5.今後の課題一調和のとれたリーダーシップ
教師のパーソナリティや生徒に接する態度は人間関係の重要課題である。学校に専門カウンセラーが配置されていない現状では全教師(特に学級担任)が学校カウンセラーとなる。それだけに教師は”調和のとれたリーダーシップ”を発揮すべく研修を積まなくてはならない。青少年の問題行動が多発して