福島県教育センター所報ふくしま No.75(S61/1986.2) -021/038page
研究実践校招介 ふれあいを深め望ましい人間関係を培う生徒指導
郡山市立高瀬中学校
1.はじめに
本校は,昭和58年度に郡山市教育委員会より,生徒指導研究推進校の指定を受け,標記のテーマを研究主額として,2年間にわたり研究実践してきた。
この研究は,すべての教育活動の基盤となる望ましい人間関係を培い,一人一人の生徒が.意欲的に活動する明るく楽しい学校生活の実現をめざすものである。
2.主題設定の理由
(1)本校の教育目標の達成のために
本校の教育目標は.心身ともに健康で自主・自立の精神に満ち,正しい判断のもとに行動する生徒の育成を理念にし,「健康」・「創造」・「奉仕」をその中核においている。
いくかが教師一人一人に課せられた課題である。の効果的な達成を目ざして行われるものであることは言うまでもない。そこでは集団における成員間の望ましい人間関係が基盤となっている。
したがって,本校の研究主題は,本校の教育目標の実現をめざすうえからも最も重要な課題である。
(2)今日的課題から(社会的な要請)
昨今,中学生の非行や問題行動が多々とりざたされ,学校,地域社会,家庭が一体となっての対応が求められている。
また,非行に走らないまでも,学習,生活行動面に意欲が欠け,自主的・自発的な行動が見られない生徒も多い。さらに昨今の人間関係の希薄さ,連帯意識の欠如.相互信頼感の低下, 自己中心的傾向などの社会的風潮が,生徒の望ましい成長を阻害している面が大きい。
このような状況をふまえて,学校が家庭や地域社会との連携を深めながら,一人一人の生徒にどう働きかけて意欲的・自主的な学校生活を実現していくかが当面する大きな課題となってきている。
(3)本校生徒の実態から
1 教師の観察より
(ア)長所(略)
(イ)短所
・自主性,積極牲に欠け,自己主張が弱い。
・友人関係は一見なごやかだが,なれあい的な面がみられる。
・基本的な学習訓練ができていない。
2 調査結果より
教育臨床研究所発行、生徒理解の調査
以上の実態からみて,望ましい人間関係の醸成を図り,自己指導,自己実現をどう援助していくかが教師一人一人に課せられた課題である。
(ア)不適応感 項 目 全国平均(%) 本校平均(%) 家庭不適応感 26 23 学級不適応感 29 38 先生不適応感 29 17 学校不適応感 33 27
(イ)悩みの調査 項 目 全国平均(%) 本校平均(%) 勉 学 80 80 進 路 71 69 家 庭 生 活 33 31 学 校 生 活 35 29 交 友 関 係 30 32 健 康 33 32