福島県教育センター所報ふくしま No.75(S61/1986.2) -022/038page
3.研究の構想
(1)研究のねらい
この研究は,望ましい人間関係を深めることにより,一人一人の生徒が学校生活に意欲的にとりくみ,明るく楽しい学校生活の実現をめざすものである。そのために教師と生徒及び生徒相互の「ふれあい」を根底にして,生徒活動,学業指導,教育相談のありかたを研究する。
(2)ねらいを達成するための視点
生徒指導の意義は,すべての生徒のそれぞれの人格のよりよき発達をめざすとともに,学校生活が生徒一人一人にとって楽しく充実したものになることをめざすところにある。
このような観点から,ねらいを達成するための視点を次のように設定する。
1 「ふれあい」は,教師と生徒及び生徒相互の協働によって深められる。生徒の諸活動を活発にし.それを教師が適切に援助指導をしていく中で教師と生徒及び生徒相互の連帯意識と信頼関係が高まり,望ましい人間関係がはぐくまれる。したがって教師と生徒及び生徒相互が協力しあってものごとをなしとげる場や機会が,意図的・計画的に設定されなければならない。
2 「ふれあい」は,学校生活の大部分をしめる授業の中でこそ深められなければならない。
授業の中で「ふれあい」が深まるためには授業の雰囲気が非常に大切である。すなわち
・授業が暖かい受容的な雰囲気であること
・協力的な学習態度であること
・学習内容がよく理解できること
などが「ふれあい」が深まる授業の条件となる。
したがってこのような授業を実現する方策を積極的に求めていかなければならない。
3 「ふれあい」は,教師と生徒及び生徒相互の相互理解を通して深められる。学校生活の中で生徒一人一人が十分に自己の能力を発揮し、学習や諸活動に意欲的にとりくむようにするためには,生徒一人一人の個性の把握と 内面的理解に基づいた援助指導が大切である。
したがって,諸調査,検査の活用や教育相談のありかた(生徒をどうみつめ,どんな態度で接するか)が見直されなければならない。
(3)研究の見通し
本校の教育活動の中に次のようなてだてをとり入れれば,集団成員間のふれあいが深まり,望ましい人間関係が醸成されて,充実した楽しい学校生活を実現することができるだろう。
1 生徒の自主的・自発的活動を活発にするために,本校でこれまで実践してきたオアシス活動を見直し,より充実したものにする。
2 学習に対する主体的・意欲的な取りくみを深めるために,生徒との十分な話し合いのもとに「学習のすすめかた」を設定し,それが習慣化するように援助指導する。
3 諸調査・検査を効果的に活用して教育相談活動を実践し、生徒一人一人への理解を深め生徒の自己実現への援助指導を充実する。
(4)研究の全体構想図