福島県教育センター所報ふくしま No.79(S61/1986.12) -010/038page
紙上学校カウンセラー講座
教育相談 教 育 相 談 へ の い ざ な い(4)
−相 談 面 接 法−教育相談部 遠 藤 和 夫 菅 井 一 良
今回は,先生方の学校教育相談に少しでも役立てていただくために,教育相談に必要な主な理論と技法についての概要を紹介します。初めに,教育相談に理論と技法がなぜ必要かをお話します。
まず,教育相談における面接は日常的な「雑談」とは違うのです。すなわち,カウンセラーは自分の働きかけ(言語的及び非言語的コミュニケーション)により,相手の考えや行動が自ら変容することを目的として面接を行います。この変容を促すための効果的な技法を身につけることが第一の理由です。次に,一人の人間の考えや行動の変容に対するアプローチですから,その考えや行動の背景となっている理論を理解することが第二の理由です。このようにして,相談面接は意図的に展開されるわけです。
以下,相談場面と対応させながら「相談面接法」について,次の事例の概要と各記号の意味を参照しながらお読みください。
<事例について> 1〜9 カウンセリングをする上での留意点 ○主訴 「不登校」 C クライエント(来談者) ○対象 高3男子 T カウンセラー(セラピスト:治療者) ○家族構成
※1〜※6 カウンセリングの技法 ○以下の事例は,本人との第1回の面接(インテーク面接)です。