福島県教育センター所報ふくしま No.87(S63/1988.8) -007/038page

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スウェアを設計した。

 実際には図−3に示すような3つのコースを設け学習者が希望するコースを自由に選択できるにうにした。

図3 図4 誤答に対するヒントの出し方

(5) ヒント・KR(Knowledge of Result)情報の出し方

 図−4は,ヒント画面の出し方について表わしたもので,誤答の回数によって図のように分岐させたものである。

 KR情報や誤答に対するヒントは,学習効果を引き出すための大切な要素でおろそかにできない。KRメッセージはできるだけ具体的に出すよう心掛けた。

誤答のときのKR情報の例

・もう一度よく考えてみましょう。

・おや?入力ミスかな?落ち着いて入力しましょう。

・じっくり考えて.もう一度正しく入力しましょう。

・理解できないところがあったら,先生に教わりましょう。

・一部にまちがいがあります。もう一度考えましょう。


ディスプレイ画面1(丸囲み) ディスプレイ画面2(丸囲み) ディスプレイ画面3(丸囲み)

(6)画面の作成

 学習者はディスプレイ画面のメッセージにより学習を進めることから,画面作りでは,特に文字の大きさ・文字の色・文字の配置・構図に注意を払った。また,絵図やアニメーションを入れて分かりやすい画面作りに心掛けた。作成画面は図−5の例1(丸囲み),2(丸囲み)のように,絵図やグラフ等を使い表示内容を分かりやすくした。3(丸囲み)のKR情報は,アニメーションを使い見て楽しい画面を作り,誤答に対して,思いやりのあるKR情報を出し学習意欲を高めようとした例である。

5.コースウェアの評価

 できあがったコースウェアを,所内の研修などで試行した結果,「コース全体が絵図やアニメーションが適切」に盛り込まれ,楽しく学習を進めることができる。」「操作が簡単で使い易い。」「コース別学習ができ個々の生徒への対応が図られている。」

表4 コースウェアの評価

 実施結果の評価については,表−4に示す通りである。評価の低い項目や,使用上の問題点(「ヒントを学習者の応答に,できるだけきめ細かく対応できるようにする。」)について,今後,改善を図り,よりよいコースウェアの作成に務めたい。

6.おわりに

 本研究の成果として,CAIの考え方,学習指導への活用の仕方や,コースウェア作成の考え方などCAIの利用について,より一層の理解が深められたこと,作成技法の確立が図られたことなどが上げられる。

参考文献

・コンピュータ支援の教育システムーCAI中山和彦 他(東京書籍)

・我が国におけるコンピュータ教育の推進 西之園晴夫

  情報と教育No.350(文部省大臣官房政策課) 他


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