福島県教育センター所報ふくしま No.87(S63/1988.8) -009/038page

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<表1>小単元の授業計画(5時間)

<表2>コース別学習パッケージ

Aコース  Aコースを選んだ君はとても幸運です。次の指示に従って自分の学習を組み立てなさい。
  この学習の目的は,人々がどんな所に居住しどのように生活しているかを知ることです。
レポート用紙を出して,まず君は,人々が居住しやすいと思う場所のイラストを作ってみなさい。そして,イラストの中にその理由を書きなさい。なるべく多く考えられるだけ書きなさい。
イラストができたら先生の所に来てチェックを受けなさい。
次に,地図のコーナーに行って,自分でこれならよさそうだと思える地形図を1枚持ってきなさい。
地形図をじっと一生懸命見つめなさい。実際の集落のできかたはどうだろうか想像してみなさい。
集落のイメージは君のイラストと合っていただろうか。もしも合っていないのなら,色を違えてイラストを修正してみなさい。
1枚の地形図で不安なら,別の地形図を持ってきてもよいし,写真コ−ナーで写真を見るのもよいと思う。
修正したイラストをもとに,居住地域になる条件を自分なりの文章でまとめてみなさい。イラストつきのレポートが完成します。
ここまでを3時間でやるので,自分に合わせてタイムスケジュールを作り左側に書き込みなさい。
4時間目 (レポートの発表と質問の時間)友達は君と逢ったやり方をしています。友達のレポートをよく見て分からない所は質問しなさい。
5時間目 チェックリストを渡すので.それに書き込んでこれまでの自分の学習をふり返ってみなさい。できたら先生の所に来てチェックを受けなさい。チェックがOKになったら,次の課題をしなさい。(課題1)ここまで君は日本の集落を扱ってきました。世界の集落も日本と同じか違うのか興味がありますね。そこで,書籍コーナーから世界の集落についての本を持ってきて,君が出した結論が世界にも通じるか調べてみなさい。(課題2)君の扱ったのが農村なら都市を,都市を扱ったなら農村の地形図を1枚地図コーナーから持ってきて調べなさい。
これで村落と都市の学習は終わりです。君は,人々が豊かな生活をしようとして居住するので,世界には多様な村落や都市があることがわかりました。このことを世界の地域の学習に役立ててください。

4.結果と考察

♦事前・事後に行ったイメージ調査によると,生徒は授業を全体として,積極払 おもしろい,満足なものと評価している。

♦自己評価は,計画,発表,形成的チェック,課題,コース,活発さ,充実感,学習の継続の項目について評定尺度を用いて行った。それによると,発表の項目を除いてすべて評定平均値は3.0以上であったので,この学習方法は全体としてほ有効牲が見られると判断した。特に,学力中位の生徒は,計画の項目以外のすべての項目が,上位,下位を上回っており,通常の授業では活動する機会の少ないこれらの生徒にとって,今回の授業は主体的に参加できた授業であったと考えられる。

♦次表は学習コース別自己評価の平均値である。

  人数 学力別内訳 計画 発表 チェック 課題 コース 活発 充実感 継続
上位 中位 下位
A 2 0 0 2 3.0 2.5 2.5 3.5 4.5 3.5 3.5 4.5
C 5 1 1 3 3.0 2.6 3.2 3.0 3.2 3.0 2.4 2.6
D 6 5 1 0 3.2 3.2 3.5 3.7 3.5 4.0 2.7 2.5
E 5 0 0 5 2.5 2.5 3.3 3.3 3.3 3.0 3.3 2.8
F 14 6 5 3 2.9 3.0 3.7 3.4 3.1 3.4 3.0 3.1
G 15 4 6 6 3.1 2.7 3.2 3.3 3.1 3.4 3.5 3.2
H 26 14 8 4 3.3 2.9 3.4 3.7 3.7 4.0 3.5 3.6
合計 73 30 20 23 3.1 2.8 3.4 3.5 3.4 3.6 3.3 3.3

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