福島県教育センター所報ふくしま No.93(H01/1989.11) -014/038page
所員個人研究 _(教育相談)
教育相談におけるロール・プレイングの活用
教育相談部 畠 腹 桂 子
1.はじめに子供の問題行動を探っていくとその背景に,親子関係,友人関係,子供対教師の関係,夫婦関係などに,人間関係の歪みが存在していることに気づく。そのために,問題行動の改善や解決を図るには,これらの人間関係を調整することが非常に大切になってくる。その一つの方法として,ロール・プレイングの活用が有効とされているが一般的には,教育相談においてロール・プレイングが十分に活用されているとは必ずしも言い難い。
そこで,指導援助の過程で,ロール・プレイングをどのように活用するのがより効果的か,事例を通して研究を進めてみた。
2.研究の構想(1)ロール・プレイングの基礎理論,技法,実施法
3.ロール・プレイングについて
(2)ロール・プレイングの活用場面
(3)事例を通したロール・プレイングの活用(1)ロール・プレイングの基礎理論
・ロール(Ro1e):役割
・プレイング(Playing):演技する
「役割演技」と言い,即興で行う脚本のない劇である。その中心理論は,「自発性・創造性の理論」「役割理論」「カタルシスの理論」の三つである。すなわち,教育相談においてロール・プレイングから期待されることとしては,即興的に演じるために,日常生活でのパターン化した行動を打ち破ることができ,そのために相手や自分への気づきを深めることもでき,ひいては,創造性・自発性が育てられる。そのことから,人間関係の問題の改善や解決を図ることが考えられる。
(2)ロール・プレイングの主な技法・「役割交換法」相手の立場になって演技する方法である。相手の気持ちを実感を持って感じとることができ相手への深い理解に役立つ。・「自我訓練法」日常生活の中で十分に意志表示ができないことを演技中で表現する方法である。日常生活で自信をもって意志表示をすることに役立つ。(その他の技法は省略)
(3)教育相談におけるロール・プレイングの実施法
1.
主題の設定
↓・カウンセラーが「人間関係について考えてみよう」と問題提起する。
例「子供に対する母親のかかわり方」
2.
ロール・プレイングへの導入
↓・方法について説明する。
3.
役割の設定
↓・カウンセラーはクライエントの相手役をする。
↓・クライエントは内容により自分(普段の自分や異なる自分など)や第三者(友人,教師など)の役になる。
4.
場面の設定
↓・いっ,どこで,など概略を設定する。
5.
ロール・プレインクの実施
↓ 6.↓
ふりかえり