福島県教育センター所報ふくしま No.93(H01/1989.11) -023/038page

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プロジェクト研究報告

情報活用能力の育成に関する研究丁第1年次一

(その3)

科 学 技 術 教 育 部

 本号では,前号で紹介した理論構成にそって行った「検証授業の実践とその結果」を報告します。

1.授業を通した具体的実践
(1)授業を実施した視点

 情報活用能力が育成された状態像の具現に向けて,福島市立北信中学校第2学年の一学級を研究対象に特別活動の学級指導で実施した。

 事前調査(評定尺度I,II)の結果からは,対象学級は下位目標 丸4.「新たな情報の創造」及び下位目標 丸11,丸12「コンピュータの特徴の理解と操作能力」に関する要素が低くなっていた。

 そこで,進路指導の「学ぶための制度と機会」を題材に,生徒一人一人がパソコンを自由に操作しながら自己の進路資料としてまとめることを通して,必要な情報を収集・選択,処理,創造,伝達する等の能力の向上を図ろうとした。

(2)情報活用能力の育成プロセス

 図一1は前号で述べた育成プロセスのモデルにそって,本時授業の指導過程を特に情報活用能力育成の観点から具体化したものである。

図ー1 情報活用能力の育成プロセス

(3)授業展開の概要と結果

 本時は,各高等学校の学習内容や自校卒業生の進路状況に関する情報を収集・交換し,各学科の特徴を調べて自己の進路を選択しやすくさせることがねらいである。まず県北地区の公立,私立高等学校の学校要覧にそって詳細なデータベース(情報検索型CAI,フレーム数227容量750KB)を構築した。

 実際には,事前にパソコンの基本操作を約30分間行わせてから授業に入り,生徒たちの知りたがっている調査項目のグラフ表示や先輩の話(録音)の聴取などにより授業の導入とした。

 その後,二人で1台のパソコンを用いて必要な情報検索を行わせ,学科の内容や特徴を調べながら,自己の進路情報としてまとめさせた。

 授業全体としてみれば,事前指導の段階から生徒たちの意欲的な活動が見られ,程度の差はあるが,必要とする進路情報を各自がまとめられたと言うことができる。図一2は評定尺度II(生徒の自己評価)の各要素を学級全体について,本時の前後に調査,比較した一覧表である。

図2 事前、事後調査の比較

(文責 峯島 和彦)


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