福島県教育センター所報ふくしま No.93(H01/1989.11) -026/038page
イスカッション
パネルディスカッションは,対立する意見の代表者が討論する形式で行う。資料の主人公に対し弁護する者,批判する者を対立させ話し合いをする。聞く側は友人の話を聞き質問するなどして,外に向かう目と自分自身の目を内に向けさ甘内面化によって自分を内省できるための手だてとして行われるものである。
2.多様な考えの交流
生徒の中には話し合いが適する生徒,黙考するのが効果的な生徒,理詰めで考えるのが得意な生徒,感性を通して了解するのが最もよい生徒など様々である。これら一人ひとりの生徒の実態を把握し,話す側,聞く側の基本的な作法を身につけさせながら,表面的なやりとりとならないようにする。深く自分を見つめたり心の対話となったりするように進める。3.内省化
(2)仮説
資料を通して今までの自分の持っていた価値観よりも高められた価値観に照らして今までの自分はどうであったか見つめることが大切になる。それがなされた時,はじめて今までの自分の弱さに気づくことが可能となる。その「今までの自分自身の弱さに気づいた状態」を内省化したととらえる。
価値の主体的自覚を図る段階においてパネルディスカッションを核にした話し合いを工夫すれば,生徒の道徳的価値に対する多様な考えが交流でき,内省化が1図られるであろう。
3.計画 (1)方法一群法による
(2)対象2年4組(男子21名女子19名)
(3)組織個人研究
(4)日程(省略)
4.研究の概要と考察 (1)研究の経過
1.検証までの準備(省略)
2.検証授業計画
ア.主題名「弱さ醜さの自覚」
(ア)資料名「ライバル」(8人間愛)
(イ)ねらい
「心の中にひそむ弱さ醜さに遭遇しても,人間を愛する心を失わずお互いの向上に努める態度を育てる。」
イ.主題設定の理由(省略)
。2時間取り扱いにし,第1時は類似体験を想起させるために心のウォームアップを図り,単なる友情の問題としてでなく人間の心の問題としてどうとらえたらよいかを考えさせたい。
。2時は啓介の心の葛藤をパネルディスカッションをすることによって多様な価値観を出させ,相互交流させて内省化を図りたい。
ウ.指導過程
。第1時(省略)
。第2時