福島県教育センター所報ふくしま No.93(H01/1989.11) -030/038page

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 3.事前・事後・把持テストの結果
    ア正答率・有効度指数・把持率
事前・事後・把持テストとも同じ問題で実施

事前・事後・把持テストの結果
   平均正答率 中央値 標準偏差 変異係数 差異係数
事前   27.9%  22%  25.5%   91.4%   0.18
事後   62.6%  59%  29.6%   47.3%   0.16
把持   57.1%  56%  32.0%   56.0%   0.21

  イ.事後テスト S-P表
    一S曲線…P曲線


事後テスト S-P表

4.結果の考察

  ア.有効度指数は,ネットワーク図の作成が高く,次に用語で,日時の計算はやや低かった。把持率については全問にあまり差はみられなかった。これらのことをX 2 検定により検討してみると,本主題の仮説の有効性がみられる。

  イ.全教科と事後テストの成績順位の相関図をみると,全教科で下位の生徒が,事後テストでも下位となり,下位の生徒に対する手だてが,今後の方策としてより重要である。

(資料) テキスト結果のX<sup></a>
2</sup>
検定 (資料) 全教科の成績順位と事後テストの成績順位の相関図

(3)結論

 1.興味関心が少なく学習蓄積の少ない専門分野の学習教材を,より単純化し生活体験に結びつけた教材を設定すれは授業前に拒絶反応を起こしがちであった生徒に導入の方法として効果のあることが分かった。

 2.数多い演習を取り入れることにより,記号や記述方法などの法則性を理解し,正確にネットワーク図の作成作業ができるようになった者が増し,それが定着してきた。それらのことが有効度指数と把持率の変容から判断できる。以上のことから,仮説はほぼ有効であったと考えられる。

5.反省と今後の課題

 一定の興味関心を喚起することはできたが,ほとんど理解できなかった者も残った。それは何故かを分析し,生徒一人一人が課題を自分のものとして意欲的に取り組み,学ぶ喜びを体験できるような授業への改善を今後の課題として研究したい。



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