福島県教育センター所報ふくしま No.93(H01/1989.11) -033/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

研修者の感想
須賀川市立大森小学校長金澤 富士雄

「楽は苦のタネ苦は楽のタネ」


_学校経営A講座を受講して一

須賀川市立大森小学校長  金澤 富士雄

 今思い出すと,実に冒険的でスリルに富んだ一年間であったと思います。まさに冷汗ものだったのです。それは,まず膨大な「研究主題,趣旨」をかかげ,ついで,自分でも,つじつまの合わない「研究の見通し」を考えてしまったことにありました。ここから痛快な悲劇が始まったのです。早速,センターの先生より質問を受けました。が,どうしたことか最初から返答にとまどい,説明がしどろもどろになってしまったのです。それからあとはもう,先生の説明,指示,指導内容を必死にメモすることに終始してしまったのです。最初の自分の形式,記述はどこへやら,もう経営感覚を磨くどころではありませんでした。

 しかし,その反面,実に充実した貴重な一年間であったともいえます。先輩講師陣各層の豊富で中味のある講義内容に触れながら,センターの先生方の親身になってのご指導,好リードにより,学校経営の何んたるか,その片鱗を徐々に身につけていったのです。つまり,@どう問題点を把握し,それを掘り下げAどんな点からBどんな手順で具体化しCどうやってそれを全職員に浸透させていくのか,だったのです。まず小さいことの具体化から経営の眼を養え,だったのでしょう。頭と実際では大きな隔りがあり,そこを,これでもかと痛打されたことは今は快感となって残っております。前期,中期,後期で,寄れば油ぎった顔での話し合いをし,夜おそくまでペンを走らせた同期の方々の姿が,大切な宝物として脳裏に焼きついております。

 「苦労は買ってでもしなさい」とよく母に言われましたが,実に有意義な研修をさせていただき十萬億土にいる母に愚かな息子もなんとかなりそうだと報告できそうな昨今です。

三春町立中郷中学校教頭佐久間眞

見る目を養う一学校経営B講座を受講して一

三春町立中郷中学校教頭  佐久間 眞

 昭和63年5月,研修者決定通知書とともに,講座要項と主題研究のすすめ方に関する資料を送付いただき,約1年にわたる研修が始まりました。

 前期,第1日目の心が引き締まる緊張感とともに開講,7つの講義と主題研究に関するご指導をいただく中で,「しっかりやらなければならない」という意欲が高まりました。中でも,主題研究の計画については,自分ではかなり焦点化したと思ったものでも,ご指導をいただく中でいかにずさんなものであったかを思い知らされるとともに,担当の先生のご指摘の的確さに驚かされました。中期,研究経過報告書をもとに,研究内容・方法の検討が進められ,夜中まで再検討と書きかえに苦労した受講生もおりました。ともあれ,研究内容が焦点化され,見とおしが立ったときの喜びは大きいものでした。

 後期,研究報告書の冊子を手にした時,それまでの苦労も忘れ喜び合いました。その夜の懇親会で,受講生の嬉しそうな顔も忘れられません。この講座を受講して得たものは,12名の講師による講義と教育センターの先生方にご指導をいただきながら進めた主題研究を通して「見る目を養う」ことができたことです。学校という組織体の中で「何を」「どのように見て」「どのように対処すべきか」を,問題点とポイントを的確におさえてご教授くださいました。このことは,教育の原点に立って見直す契機となりました。

 最後に,講師の先生方,ていねいにご指導くださいました教育センターの先生方に心から感謝を申し上げます。また,他地域の先生方との交流を深めるとともに,多くの面で支え合うことができた受講生の先生方,ありがとうございました。私は,この研修で得たものを土台とし,さらに研修に励んでいきたいと思います。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。