福島県教育センター所報ふくしま No.94(H02/1990.2) -005/038page

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所員個人研究  −(学校経営)

自校の学校課題に応じた研修組織を

学校経営部  星 憲隆

1.問題点の多い校内研修組織とその背景

 本県教育センターの調査によると,校内研修組織の改善を願う声は,小学校78%,中学校69%,高等学校63%に達している。(無作為抽出193校,572名による回答・研究紀要第71号,1988.3)

 アンケート結果を分析し,その背景の主なものを整理すると次のようになる。

 (1〕個々人の役割が明確でなく,リーダーや授業者に任せがちになることが多い。従って,組織全体の役割が有機的に機能していない。

 (2)係分担の際,個人の希望や特性を生かす配慮が足りないため,個々人の力が十分に発揮されていない。

 これらの傾向は,小規模校よりも大規模校により顕著に見られる。

2.校内研修組織の現状

 それでは,研修組織の現状はどうなっているだろうか。校内研修組織の現状を学校要覧及び現職教育計画によって調査した。(会津教育事務所管内及び県北教育事務所管内の全小中学校,1989.8)

 この調査によると,校務分掌における研修組織の位置づけは,おおよそ次のように大別される。


研修組織の位置づけ

 d(丸囲み)現職委員会としての位置づけはされているが,いわゆる「研修部」や「研修係」が見当たらない。

 ※教務部の名称は,総務部,教務指導部,指導部,研究指導部,研修指導部,指導研究部など様々であるが,ほとんどの学校がa(丸囲み)型に属する。

 異色なところでは,a型の教務部の下に「学習づくり部」や「教育課程研究部」をおき,その中に,研修組織を位置づけているところもみられた。

3.校内研修組織上の問題点

 校務分掌における研修組織の分類方法とその機能状況等について,さらに正確さを期するために,研究協力校の実情を調査した・(1989-11〜12)

 研究協力校は,県北教育事務所管内の次の4校である。
。E小学校C職員数45,学級数29)
。F小学校(職員数10,学級数6)
。G中学校(職員数24,学級数12)
。H中学校(職員数10,学級数3)

 調査方法は,紙上アンケートを中心とし,十分でないところは,電話による聞き取り調査とした。

 主なアンケート項目は,次の通りである。
・校務分掌における研修組織図及び研究組織図の位置づけ
・研修組織図と個人の希望・特性との関わり
・全体の研修組織とブロック組織との関わり
・研究テーマと研修組織との関わり
・その他

 以上,1〜3をまとめた「研修組織上の問題点」は,次の4点である。

<研修組織上の問題点>
1.研修と研究を混同している組織がある。
2.研修組織が,毎年固定化している。
3.個人の希望や特性等が十分に生かされていない研修組織となりがちである。
4.大規模校になるほど,自己関与の意識が低い研修組織となりがちである。


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