福島県教育センター所報ふくしま No.94(H02/1990.2) -013/038page
(1)プログラムの入力法図5のように順にキーを押していく。
(2)実行
RUNキーにより,プログラムを実行する。
(3)実行後の確認メモリーや2進LED,数字LEDを見て,プログラムが正しく処理されたかを確認する。次の処理に移るため,RESETキーを押す。もし,正しくないときはデバッグを行う。
(4)1命令ごとの実行(トレース)
直前に5または6のキーを押して(INCRキーは押さない),RUNキーにより実行し始める と,プログラムは1つ命令を実行して停止する。この命令により何がどう変化したのか確認する。
6.シミュレーションプログラム作成上での配慮事項(1)使用言語について
どのパソコンでも,BASIC言語でのプログラムができるようになっている。そこで,比較的理解しやすく,異機種問でもプログラムの移植も比較的簡単にできる。この言語を使ってシミュレーションプログラムを作成した。
(2)キーボードについて
16進数の命令コード(機械語)の入力に,図7のようにテンキー部を用いると便利である。そしで,制御用のキーには混乱を避けるためファンクションキーを用いる。ただ,INCRキーについては,改行(CR)キーを代用してよい。
A B C D 7 8 9 E 4 5 6 F 1 2 3 CR 0
(3)タイマーおよび音の出力について
機種によっては,パソコンの機能の面からタイマーと音階に関する命令の動作は正確でなく,注意を要する。
(4)外部入出力について
実際,外部とのデータの入出力を行うには,パソコンにインタフェースカード等の装着が必要となるので入出力に関する命令は使用しない。
(5)その他
ゲーム的なサービスプログラムについては実行しない。
7.おわりに本研究はコンピュータの仕組みを理解するため,いわゆる4ビットマイコンの機械語のプログラムを効果的に研修しようとする先生方のために1教材を提示したものである。指導内容等については今後他の研究発表を参考にされたい。
今後は,これをもとにして,生徒が学習するとき興味を持ってコンピュータの仕組みを学習できるように内容や表示方法について改善を重ねていきたい。また,一層効率よく研修できるように,実在のマイコンキットにはない機能を付加していきたい。
《参考文献》
中学校技術・家庭科4ビットマイコンによる情報基礎コンピュータ教材開発研究会編著日陶科学
注1)本シミュレーションプログラムは,F-BASICHGを用いて作成したが,N88日本語BASIC(MS-DOS版)でも使用できるように移植した。