福島県教育センター所報ふくしま No.94(H02/1990.2) -016/038page

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のないことや,常に情緒が不安定であることから,3人で互いにまとまって支え合っているグループである。

 そのために,次のことに留意した。
1.個別に面談を続けながら本人の気持ちを受容する。
2.3人グループを受け入れるような,相互支持的学級づくりをする。
3.学級会,行事等では,学校生活に明るさとリズムをもたせるように特に配慮する。

 これらの指導から,学級集団への帰属意識が高まり,協力し合って目標を達成するために努カするような,凝集性の高い学級が形成されていくと思われる。

・凝集性の高い学級の状態とは

1.意見の一致があって,調整がうまくいっていること。

2.失敗しても,責任を負わされたりしないし,誰かに支配されるようなことがないこと。

3.学級内のコミュニケーションが十分で,楽しい雰囲気があり,抑圧されることがないこと。


  学級におけるA男,B男,C男の社会的位置を,ソシオメトリック・テスト(班編成のため4月に実施)の結果で検討しなおしてみた。

 なおソシオメトリック・テストは,集団理解に生かしていくため学年全体で実施したものである。

 そこで,構造マトリックス,個人関係図等をもとに,図1のようなA男を中心とする人間関係が浮き彫りにされた。

 学年会では,次のような解釈と指導の方策を話し合った。

1.A男たちの集団は孤立傾向にあり,A男がリーダーになって,B男とC男が一緒に行動している。

2.K男は,学級のリーダーであり,A男とはお さななじみである。

 K男はA男を排斥していないことから,A男の規範性を育てていくために,いろいろな活動場面でA男との関係を深め,援助させる。

図1<A男の学級集団における人間関係>
図1<A男の学級集団における人間関係>


3.A男は明るい性格で活動的なD男と,相互選択.している。このことから,D男の所属している集団に入れ,集団内での協調性を育てていくと共に,孤立しつつある3人の集団の人間関係の改善を図っていく。

(3)について

 1.担任と親との信頼関係を図り,連絡を取り合う。

 2.担任から,本人たちの活動状況のよい面を家庭へ連絡することによって,家庭で本人に対する見方が変わるようにし,親子の人間関係を深める。

  学年主任はこれらのことを,校内生徒指導協議会に報告し,指導体制等を確認した。

5 校内球技大会をきっかけに

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