福島県教育センター所報ふくしま No.94(H02/1990.2) -022/038page

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研修者研究報告 一(学校経営A講座)

生徒指導の機能を生かす指導組織と運営の改善による自己実現への援助指導

いわき市立植田中学校教頭  大 平 健 次
(前藤間中学校教頭)

1. 研究の趣旨

 生徒指導は,学習指導とともに学校の教育目標を達するための重要な機能のひとつである。このことは,生徒指導が教育課程の領域の内外を問わず,学校教育のあらゆる場において発揮される教育機能であることを意味する。つまりすべての生徒の人格のよりよき発達をめざすとともに,生徒一人一人にとって学校が有意義にかつ充実したものになるようにすることをめざす教育機能といえる。したがって,生徒指導の機能を高め効果的に活用するならば,生徒はいきいきと活動し学校全体に活気が満ちあふれ,家庭や地域社会から信頼される学校経営が展開されるものと思われる。

 しかし,これまでは,生徒指導に対する教師問の共通理解や協力体制が不十分であったり,生徒の問題行動への対処といった言わば消極的な面が強調されがちであった。

 本校では,「生徒の個性と能力に応じた自己実現への援助」という重点目標を掲げ,積極的な生徒指導に取り組んできたが,特に次の点が問題としてあげられている。

 1.生徒指導が係任せとなりがちで,組織的に機能しなかった。

 2.生徒指導の機能への意識がうすれ,自己実現への援助指導が十分果たせなかった。

 以上のことから,教師一人一人が,これまでの実践を見直し,生活指導や学習指導の中で生徒指導の機能が生かされる指導体制を確立し,共通実践していくことが重要な課題であると考え本主題を設定した。

  2. 研究の見とおし

 積極的な生徒指導に取り組める組織をつくり, (前藤間中学校教頭)生徒指導委員会を定例化し,教師一人一人が意欲的に実践に取り組めば自己実現への効果的な援助指導ができるであろう。

 3. 研究の方法と対象

 (1)研究の方法…省略

 (2)研究の対象 本校職員14名 本校生徒231名

4. 研究の内容と推進計画 …省略
5. 研究の概要と考察

(1)研究の概要

 1.生徒指導委員会の組織と役割分担の明確化現在組織されている生徒指導委員会は,校務分掌の中に位置づけられているが,係中心となって仕事を分担しているため,横のつながりがなく組織体として機能していない。

 そこで,全教師が生徒指導委員会に所属し,各部・各係を有機的に関連させながら,「共通理解・共通実践」が図れるような組織に改善し,役割分担を明確にした。

ア.改善後の指導委員会組織

改善後の指導委員会組織

イ.生徒指導各部の活動内容

 (ア)学業指導部

 。基本的学習習憤の育成

 。学習環境の整備


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