福島県教育センター所報ふくしま No.94(H02/1990.2) -024/038page
師間の意識を高めるために,「基本的生活習慣」の現状について生徒はどう認識しているかの視点に立ち,教育目標の評価項目に添い6月に調査した。さらに,研究実践後における生徒の意識の変容を把握するため,同じ項目について11月に調査し,比較してみた。
調査結果からは,相変わらず学習に対して消極的な傾向は見られるものの「自分からすすんで学習に取り組む」「わからないところは先生にきく」が増加の傾向にある。実際,職員室や廊下などで,教師を囲んで学習している場面が多く見られるようになってきた。また,他人の意見や発表に対しても真剣に聞くなど,学習態度もよい傾向を示している。
一方,生活面では,「正しい服装での登校」「他人に対する思いやりの心」等が良い傾向を示している。さらに,無言清掃等も良くなりつつある。
「自己反省カード」の使用については,当初は学級担任の負担過重と考えられていたが,現在では各学級担任の創意を生かした利用方法で活用され,大変好評である。生徒の自己評価に対する教師の一 言が,教師と生徒の信頼関係を高める上でも大いに役立ち,教育相談の資料として,あるいは学級指導の資料として利用価値も高い。
イ.生徒指導委員会の組織について
教師一人一人が生徒指導担当者としての自覚をもち,積極的に生徒指導に取り組む姿勢がでてきた。全職員が,教室や廊下などで生徒に囲まれながら,なごやかな雰囲気の中で生活指導や教育相談に取り組んでいる姿は,その成果のあらわれと考えられる。生徒指導に対する考え方についても,次のような声が職員室における教師間の話の中から聞かれるようになってきた。
・生徒指導を自分のものとしてとらえた。
・自分の役割がはっきりしてやりやすい。
・授業の場における生徒指導を意識した。
2. 研究全体の考察
・生徒指導委員会の組織の見直しと委員会の定例化
・生徒の個性や能力に応じた援助指導
の二面から研究実践に取り組んだ結果,教職員の生徒指導に対する意識もたかまり,生徒自身も自己実現にむけて積極的な姿勢がみられるようになってきた。
しかし,「生徒指導の機能を生かした授業の展開」をメーンに取りあげた学業指導部では,十分に成果をあげ得なかったので,継続研究として取り組みたい。
6. 今後の課題「生徒の個性と能力に応じた自己実現への援助指導」といった本校生徒指導の目標達成のために「生徒指導の機能」を再確認しながら,委員会組織を改善し,委員会の定例化と個別指導に取り組んだが,次の三点が今後の課題としてあげられる。
1.全体計画,指導計画を見直し改善する。
2.「機能」を生かした学業指導を推進する。
3.地域や家庭との連携を強化する。