福島県教育センター所報ふくしま No.94(H02/1990.2) -028/038page

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■アイデイア紹介■

見て触れて操作できる教材一(技術)


一感電防止とワイパーの原理_

白河市立白河第二中学校教諭  鈴 木 政 勝

1はじめに

 技術家庭科の教科の特質から,生徒が目で見て,触れて,操作する実践的・体験的学習が行えるような教材教具の活用ができないか常日頃から心がけている。そこで簡単に製作でき経費のかからない教材教具の製作を行っている。

 本校は「生き生きと学習に取り組む生徒を育てるにはどうしたらよいか」の研究主題に基づいて昭和52年度より継続研究と授業実践を積み重ねてきた。本年度の研究の視点についての手だての重点事項として「知的好奇心や技能面からくる興味・関心を喚起させる場面の構成として,教材教具の効果的提示」を研究している。以下に示すことは,本年度実践してきたものである。創意工夫や新鮮味に乏しいかも知れないが何かの参考になればと思い紹介したい。

2.人為的感電を通しての感電事故防止指導

  電気I ,電気機器の点検と保守,感電の事故防止の学習で,生徒の実態調査をしたところ,感電したことのある生徒が41%おり,電気を恐ろしいと思っている生徒が85%いることが分かった。ちょうど電気保安協会のポスターで感電事故防止を呼びかけるものが提示されており,それを教材として用いたことは感電事故防止の心構えという点から非常に効果的であった。

 生徒の感電の主な原因は,電気機器の不良や差し込みプラグの不注意による取り扱いのためである。そこで正しく電気機器を取り扱うことができるようになるにはどうしたらよいかを考えた結果,逆に,どのようになれば感電するのかを学ばせることにより,感電を防止できるのではないかと考え,図に示すような実験装置を組み立てた。

実験装置

 ○授業中の問答の一コマ

 教師: コンセントの端子に触れたらどうなるか。

 生徒: 感電する。(約100%)

 教師: (接地側に)触れてみる。感電しない。

 生徒: 驚きの声,表情になる。

 教師: コンセントの別な端子(活性側)に触れたらどうか。

 生徒: 感電する。教師:これは100Vかかっているので電圧を降下させて触れてみよう。実験装置で触れさせてみる。0Vより徐々に上昇させていく。電圧計・電流計を見せながら。

 生徒: 感電しない。(生徒の靴は絶縁体であるので)

 教師: 感電しないのはなぜだろうか。

 生徒: 両方に触れると感電する。

 教師: 2本の端子に触れてみよう。

(注)全身に通電するのを防止するため右手の親指と人指し指の間で通電するように触れさせる。

 生徒: 徐々に電圧を上げていくと感電する。

 (注)人体に電流が流れる大きさが問題となる。40Vふきんにならないと感電しないので,人体はかなり電流が流れにくいことが分かる。

 教師: 靴を脱いで,地上に立ち接地した状態で


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