福島県教育センター所報ふくしま No.94(H02/1990.2) -030/038page
研修者の感想
児童理解のために
福島市立蓬莱東小学校教諭 本間 貞二
昭和63年度の学校カウンセラー講座(上級)に出席させていただきました。私の場合,初級,中級,上級と三年連続で受講できたことは,とても幸運なことでした。学校での仕事に追われ,継続的に研修を積むことは,今の私にとって非常に難しいことだからです。受講して得た素晴しい経験を,少しでも学校現場で役立てたいと考え,努力しているところです。
カウンセラー講座では,教育相談に関するいろいろな知識を学ぶだけではなく,実技による研修も数多く取り入れられています。初級の時には,照れてしまって思うように言葉も出ず,体も動かなかったロールプレイングの研修も,さすが上級の時には,役割になりきっての迫真の演技で,終わったときには自然と拍手が起こったりすることもありました。
「教育相談は,生徒理解に始まり,生徒理解に終わる。」佐久間先生がふと口にした言葉ですが,講座に出席するまでは,目の前の子どもたちを自分の勘だけで,理解したつもりになっていました自分と同じタイプの子どもならいざ知らず,多様化する社会で成長をする現在の子どもたちは,複雑な問題を抱えています。そのような子どもたちを,自分の経験と勘だけで理解しようとしては,大切な部分を見逃してしまうかも知れないと知りました。
今年度から生徒指導の担当になり,校内の生徒指導協議会にも,積極的に児童理解のための研修内容を取り入れるように努めています。
講座に出席するまでの十年間,何の知識も持たぬまま,子どもたちと接していたことを反省するとともに,これで良しとせず,さらに児童理解の研修を積んで,子どもたちとともに伸びる教師を目標に研鎖していきたいと思います。
「中・高生徒指導講座」を受講して
郡山市立郡山第一中学校教諭 鈴木 薫
「中・高生徒指導講座」に参加するように,と話があったのは昨年度の春先だったと思います。.前・後期にわかれてかなり中味の濃い講座であることは容易に予想されましたが,前期講座が中体連県大会と重なっており,もしやという心配が先立ったのを記憶しています。しかし,その心配も6月のはじめ(市内大会)には残念ながらすぐに解消され,心おきなく参加し研修を積ませていただきました。
講座は,講義と演習が行われ,講義においては,生徒指導を多角的にとらえ,「生徒理解」から「関係法令を中心とした生徒指導上の諸問題」まで幅広くご指導いただきました。「生徒理解」では,ふだん観察や相談といった主観的な方法で自己満足していたものを,グラフを用いて客観的に理解することを教えていただきました。「生徒指導上の諸問題」では,児童・生徒の補導・事故件数の具体的な数字の多さに改めて驚ろかされました。
講義だけで終始するのかと思われた講座に,有意義な変化を与えてくれたのが,センターの先生方が中心となってご指導くださいました演習でした。当初,照れくささも手伝って乗り気でなかったのもなんのその,いつの間にかその楽しさに引き込まれ,自分もいつしか生徒になりきり,「こんな楽しい学級だったらなあ。」と考えていました。この演習は,「生徒指導の機能を生かした学級経営」がテーマになっており,さっそく自分の学級で実践したばかりでなく,平成元年度の長期研修B講座を受講するにあたり,研究テーマの基盤にさせていただきました。
顧みれば,今後長い問生徒指導に携わっていくうえで,確かな指針を得た貴重な研修でした。ご指導くださいました先生方,大変ありがとうございました。深く感謝申し上げます。