福島県教育センター所報ふくしま No.96(H02/1990.8) -021/038page
2.(1)住居模型を使った実験(1)通風の方法を知らせるための実験
(方法)
1.紙(20x20p)は上1p残して、たてに2p間隔に切り目をいれ、天板中央にセロチープで貼りつける。2.大窓の前方から風をおくる。(ドライヤー、うちわ等)3.前方の窓をあけ、紙の揺れる様子をみる。後方の大窓もあけ、前方の大窓だけをあけた時の揺れ方と比較する。(図一1)
(留意点)・同じ強さの風をおくる。
・窓際に障害物を置いて、紙の揺れる様子を観察させてもよい。
(2)換気の方法を知らせるための実験
(方法)
1.密閉した模型の中で線香を約3分燃やし、煙のたまり方を観察する。
2.煙が充満したら窓を2箇所いろいろな組み合わせであけ、煙の出方を観察する。(※煙のたまり方から火災時の避難の仕方を考える。)
(3)暖房による室内の温度差を知らせるための実験
(方法)
1.模型の中央に熱源を置き、側面の穴に温度計を差し込む。
2.0〜5分まで1分毎に温度の変化をみる。
(留意点)・熱源は,熱湯を注いだ容器でよい。・10分だと温度差がより明確にでる。
(4)保温の方法を知らせるための実験
(方法)
1.模型の内側にカーテン(23x100p)をテープでとめる。
2.中段穴に温度計を差し込み、熱源を入れ、0〜5分まで1分毎に各段の温度の変化を見る。
3.カーテンをはずして、同様の実験を行い、両方の値を比較する。
(留意点)・3.は(3)暖房実験の中段の値を利用できる。・カーテンの厚さ、分量をかえて実験するとよい。
(5)明るいすまい方を知らせるための実験
(方法)
1.色画用紙を図5のように大窓面が一箇所あく形に作り、模型に入れる。
2.教室の明るい場所に置き、模型の窓をあけて照度計を入れる。
3.同様に色の違う画用紙を入れて、明るさの違いを調べる。
おわりに紙面の関係上、すべての実験は紹介できないが、いずれも短時間に明確な結果が出る。管理も簡単で場所をとらず、耐久性の良い教具である。
今回の模型は、試作4号であり、これら製作(費用1500円)及び実験は、講座で実施しており、その都度改良を加えてきた。
また模型も20個ほど作製してあり、先生方に指導の一助として使用していただければ幸いである。
参考文献:住居と家族の指導 文部省)他