福島県教育センター所報ふくしま No.98(H03/1991.2) -013/038page
所員個人研究 ― (小・理科)
「月の動きとその形」のモデルの製作
科学技術教育部 大 室 幹 男
1. はじめに
新指導要領・小学校5年の教材に「太陽と月」がある。観察を通して太陽と月の動きや、太陽・月・地球の位置関係とその見え方などの指導を行うことになっている。
しかし、広大な宇宙の動きを巨視的、空間的にとらえる見方・考え方が十分でない5年生の児童には、いくら観察をさせても月の位置とその見え方は理解されがたい。そのため、身近な素材を用い、簡単なつくりで、児童自身が動かして月の動きとその形を探究できるモデルを製作した。
2. 材料とつくり
(1) モデルの材料は木板、模型用プーリー、3mmビス・ナット、くぎ、発泡スチロール球、家庭で用いるラップの芯(紙円筒)など身近にある素材を用いる。
(2) 月モデルとしての発泡スチロール球は球状のものであれば何でもよい。そしてその半分をマジック等で黒く塗っておく。
(3) 木台の中心を地球の位置とし、回転棒の先につけた月モデルが地球を中心として公転しているようすを表すようにする。
(4) 回転棒を手でまわすと、同じ大きさのプーリーが糸ベルトにより月モデルを同じ割合で逆転させ、月モデルの太陽の影の部分を常に同じ向きにする。
(5) 紙の円筒は視野を制限するので、地球から見た月の形を再現してくれる。
3. つくり方
つくり方の概要は図1〜3の通りである。特に留意すべきところは下記の点である。
(1) 木台の中央のビス及びプーリーは、スプリングワッシャー等を用いてナットを締め、台板に対して動かないようにする。また、プーリーはナットを両側から2