福島県教育センター所報ふくしま No.98(H03/1991.2) -016/038page
「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究」
―学習指導内容とコンピュータの機能との関連について―
科学技術教育部
本研究は、新学習指導要領に示された各教科において、児童生徒の主体的な学習活動を支援するために、コンピュータの機能をどのように利用し、学習指導に役立てるかを追究したものである。
まず、県内の公立学校の情報機器活用状況等に関する調査を実施し、コンピュータ活用状況の実態を明らかにした。次に、学習内容とコンピュータの機能との関連について考察し、授業におけるコンピュータの効果的な活用方法について追究した。
コンピュータの機能については、コンピュータを学習活導の道具として活用するという観点にたち、1.情報検索、2.計算、3.計測・制御、4.シミュレーション、5.図形作成、6.文書作成、7.通信の7つの機能を特定した。
学習指導内容とコンピュータの機能との関連については、基礎的な部分を検討し、小学校;理科、中学校;数学、理科、技術、高校;理科(IB、化学IB、生物IB)、家庭(家庭一般)、商業(流通経済)を取り上げ、小・中・高校の各段階及び各教科の指導目標に応じて、学習指導内容とコンピュータの機能との関連表を作成し、利用の仕方について調査研究した。
今後は、教材の開発、流通、検証授業などの実践研究を通し、授業におけるコンピュータの効果的な活用の在り方を追究していく。
事例を通した教育相談の進め方に関する研究
開発的な指導援助のあり方
(第1年次)
教育相談部
今、個性を生かすために児童生徒の発達過程をふまえ、児童生徒の持っている潜在能力を認識させ、その能力を最大限に発揮できるよう指導援助することが強く望まれている。
本研究は、児童生徒の将来の向上のために自己理解を援助しながら、一人ひとりの個性を生かし伸ばす開発的な指導援助のあり方を3か年計画で追求する。
研究計画
第1年次(平成2年度本年度)
開発的な指導援助の基本的なとらえ方を明らかにし、基本的対応と学校での各指導場面における開発的な指導援助の内容をまとめる。
第2年次(平成3年度)
基本的対応に基く実践により、より効果的な具体的対応を明確にする。
第3年次(平成4年度)
具体的な対応に基づいて、研究協力校における実践を通して、具体的対応の有効性を検証する。