福島県教育センター所報ふくしま No.98(H03/1991.2) -029/038page
ア. 文章に描かれた人物、情景、心情などを表現に即して読み味わうこと。
イ. 文章を読んでものの見方、感じ方、考え方を広くし、人問、社会、自然などについて考えを深めること。
ウ. 文章の読解、鑑賞に当たっても書く活動の機会をできるだけ設け,、表現力、理解力の向上に役立つようにすること。
2. 口語訳における三つの段階
ア. 4名で分担を決め、直訳する。
イ. 4名で協力し、口語訳を練りあげる。
ウ. 各自、個性的な口語訳を作る。
3. 概要と考察(1) 研究の経過
検証授業計画
ア. 単元名―源氏物語―心づくしの秋風(須磨の巻)
イ. 単元の目標―(省略)
ウ. 指導計画(総時数11時問)
・通読、直訳の作成 ………3時間
・口語訳の練りあげ ………4時間
・各自の口語訳作成………4時間
エ. 指導過程
準 備 ・学習の目標と学習方法,形態の確認
・「須磨」までのあらすじ理解
・全文通読↓
口語訳の作成 ・直訳の作成
・課題プリントによる心情把握
・グループの口語訳の練りあげ、記録
・各自の口語訳の作成↓
ま と め ・口語訳の発表会 (2) 検証と考察
1. 授業の考察
ア. 2単位の授業であり、間に考査や行事が入ったので、授業が長期にわたり、集中やまとまりを欠く結果となった。
イ. プリントの問題に取り組む時間が十分でなかった。また、予定通り進まないグループが2、3あった。
ウ. 「源氏物語」のあらすじと朗読(関弘子)のテープを聴く機会をもった。これは、授業を長期化させることにもなったが、あらすじをとらえさせるうえで効果的であったと思う。
工. 古語辞典、現代語訳の「源氏」、漫画化されたもの、その他の参考書類を利用する生徒の姿が多く見られた。これは、生徒が意欲的に取り組んだことの表れである。
オ. グループの人数を4名(小人数)とし、役割を分担させたので、各自が責任を持ち、真剣に学習に参加した。
カ. 生徒からの質問は、普段よりかなり多かった。またグループ内におけるお互いの意見交換も、たいへん活発であった。