福島県教育センター所報ふくしま No.98(H03/1991.2) -031/038page
■アイデイア紹介■
算数科の間接指導の充実を図る―半具体物によるかけ算九九の構成とゲームによる習熟の試み―
下郷町立旭田小学校中妻分校教諭 玉 川 美紀子
複式学級においては、単式学級以上に児童の人間関係や学習訓練に気を使わなければならない。また、間接指導時の学習材を工夫し、自学自習を効果的に進めていかなけれぱならない。ここでは、第2学年「かけ算九九」の学習において、作成した教材とその活用例について述べる。
1 かけ算の意味とかけ算の導入全問50あるワークシートを作成した。まず、同じ数のまとまりに着目させるために、図1・2のような「1あたりの数」さがしをさせた。次に、同じ数のまとまりがいくつ分あるかということをとらえさせるために、図3・4のように「4+4+4+4=16→4×4=16」と立式できることを教え、立式の練習をさせた。そしてシェーマ図を導入(児童には皿とタイルで)し、抽象化して考えられるよう図5・6のような問題に取り組ませた。常に単位を意識して問題を考えさせるようにした。
2. かけ算九九の構成二の段の九九において、あめ2こを□人に配るという問題を作り、階段状のマスの中に絵を書き入れ、九九を構成させた。答えは、すでに覚えている子は九九を使い、他は2+2=4、2+2+2=6…や2+2=4、4+2=6などのたし算で求めていた。
このようなパターンで、全ての九九の構成をさせた。慣れてくると、与えられた絵ではないものを書いたり、自分なりの問題文を作ったりするなど、積極的な取り組みがみられた。個の能力に合わせた工夫を賞賛し、構成時の様々な考え方を直接指導で取り上げ、意欲を高めるようにした。