福島県教育センター所報ふくしま No.100(H03/1991.8) -010/038page
3.研究の計画 (1)対象福島市立丁小学校4年生(18名)
(2)要約文作成の仕方
1. 文章中の主語を取り出し,中心となる主語を見つける。
2. 文章中の述語を取り出し,中心となる述語を見つける。
3. 修飾語(上記1,2の語旬の次ぎの重要な語旬,補語)を2,3見つける。
4. 中心となる言葉(上記の1,2,3の語句)を並べ変える。
5. 新たな一文を作る。
6. 文の飾り気をなくす。
○要約は,抽象化 ○時制の一致
7. 他の適切な語に置き換える。
○文の基本形は,「一文に一主語」
○受動態は,能動態に換える。
○主語の側の立場の語旬に換える。
4.授業の実態と考察(小4「体を守る皮ふ」)
第2段落の要点をまとめる学習を例に挙げる。教材文と児童の要約文の例は次に示した通りである。授業の初めの児童の自力の要約文は,例1〜3のようになった。
例1のM男は,第4文を中心の文ととらえているが,書き抜いただけで主語「皮ふには」と述語「受けとる」が対応していない。例2のT男は,例1同様第4文を中心ととらえているが,述語「ある」に対する主語が欠落している。例3のE子は,第3文と第4文の重要と思われるところをつなぎ合わせたようになっているが,主語と述語が全く対応していない。また,「このように」という説明的文章では『まとめを表す言葉」の意味と働きが理解されていないようである。そこで,接続語「このように」に注目させ,その言葉を理解させることによって第4文を中心としてとらえ,次のようにまとめさせた。
(2) 全体を見通し、要点をまとめた例
皮ふには、外部からのしげきを受け
取るはたらきがある。(26文字)