福島県教育センター所報ふくしま No.100(H03/1991.8) -023/038page
ねらいと働きかけ A男の活動状況と対応 考察 てやる。
<9月>
○自発性を尊重する
●A男にすべてリー ドさせる。(役割決定せりふ、動きなど)
<11月>
○相手に気づかって
最後まで聞かせる。
●電話(遊具)の応対ぶりを見て知る。
<1月>
○自分からの問いについての説明は、よく聞くようにする。
●がまんさせる。
<最終日>
○T1.2は意図的にA男にかかわり、A男共々、楽しい一時を心に残す。
ら問う。T1の説明は無視。しかしT1
はA男の言動を受け取め、気をつかって
A男のペースに合わせて跳んでいる。
○体育館に入る。A男はT1から離れ
ようとせず「ヘリコプターって何?」と
問う。次いで「げきをしよう、ごんぎつ
ね」とA男。T1.2集まりA男の役割決
定を聞く。終了もう少しで再びトランポ
リンへ上がる。T1「終わってから」と言う。○プレー室で電話のかけ方、聞き方を練習する。A男「モシモシ駅ですか・・・」次いでA男とT2「○○タクシーですか」とA男。「イイエちがいます」とT2。
次のことばが、A男には、なかなか出ない。最後に「じゃいいです」と言った。
○「郡山の縁日はいつ?」「ヘリコプター
って何?」「クラッシックってどういうこ
と?」説明するT1をよく見るよう話す。
○体育館を何も言わず3週する。ハーハー言う。T2の声でいつものように寸劇する。
主役にT1.3からクレームがついた。A男は主役をゆずらない。
終時にTさん達とお別れの握手をする。
かかわり方が優しく、
A男のペースに合わせていた。
いつも、いい役はA男だが、自分を中心に展開できるので、言動が積極的になってきた。
○一方的な言い方で電話をかける。
相手の話も途中までしか聞かないが話の内容に合った返事が戻ってくる。
○「○○って何?」の説明も6月当時に比べ、相手の方を見て聞いている。
○「長い間ありがとう」学生たちにお礼を言った。
少しずつ状況を意識するようになった。
7.考察とまとめ
(1)問いかけに答えたり、自分の気持ちを言うなど、相手を意識する面での変容がみられるようになった。
(2)A男のペースに合わせる場を多くし、自発性を重視したことは効果的だった。
(3)ことばの数はかなりあるが、コミュニケーションとして、用いられないことが、多くの場面でみられた。
(4)今後は特に、状況に即した言語の指導が課題である。