福島県教育センター所報ふくしま No.100(H03/1991.8) -025/038page
提示することにより、問題を発見させ課題意識を高めた例である。No1では、級友が演技者になり、No2では、教師が演技者となることにより生徒の反応もよく、問題意識を十分に高める手だてとなった。参考までに、課題設定の段階以降の展開の大要については、左記の通りである。
次に、問題解決の段階における教材・教具の活用例について紹介する。
(2)課題解決の段階
この段階では、生徒一人ひとりがもつ課題を解決させるために、可能な限り実験の個別化が図れるよう教具の開発に努めている。ここに紹介するものは、当教育センターで開発紹介された簡易位置エネルギー実験器(図1)及び簡易運動エネルギー実験器(図2)を自作実践したものである。
1.簡易位置エネルギー実験器の効果
この実験では一人一台の完全個別化を図った。授業では、装置の説明から入らず自由に遊ばせる中で、装置のもつ特性に気づかせ、解決の見通しを持たせるようにした。下位生徒のA子も友だちに装置の使い方をきき、教師の説明なしにアドバイスシートを見ながら、課題解決に熱心に取り組むことができた。効果の有効性を確かめることができた。
2.簡易運動エネルギー実験器の効果
この実験では、二人に一台与えペア実験とした。1.同様遊びから入り、次に速さが2乗倍になることを装置を使って具体的に説明した後アドバイスシートを活用させ課題解決にあたらせた。結果のグラフ化により容易に本時の課題を全員達成することができ、確かな成就感と喜びを感得させることができた。
(3)授業後の生徒の自己評価結果から
図3,4からNo1、No2の授業において、一人ひとりが問題解決のために意欲的に取り組んだことが分かった。
3.おわりに
今後とも、生徒が意欲的に「観察・実験」に取り組めるよう、学習材のパッケージ化を図り、指導の個別化・学習の個性化をめざした教材教具の開発につとめていきたい。