福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -005/038page

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 これらの課題を追求することで、生徒たちに、歴史の中で苦悩しながら生きる人間の姿を、共感的かつ内在的に理解させることができるのではないかと考えた。

(2)スライド教材の構成と内容
 この教材は、33枚のスライドに、ナレーション、B.G.Mを組み合わせたものである。
スライドは、16o映画「激動の20世紀」(フィルムライブラリー)、フランクル「夜と霧」(みすず書房)、アンネ・フランク「アンネの日記」(文芸春秋社)などから接写し構成した。また、B.G.Mとしては、アルビノーニの「アダージョ」、レスピーギの「リュートのための古代舞曲」を用いた。(時間:8分45秒)
 下表は、製作した教材の構成と、スライド、ナレーション例である。

スライド スライド 説明及びナレーション例 備考
1〜15 ・ドイツ、ポーランド、チェコ
スロバキア、オランダ、ベルギーの強制収容所とその内部。当時の情景。
スライド例1(狩りだされるユダヤ人)
*ここでは主として、当時の強制収容所の位置、収容され殺された人々の数、人体実験など、確認されている歴史的事実を示す。

←スライド例1(狩りだされるユダヤ人)


アダージョ
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16〜17 スライド例2(アイヒマン)
スライド例2(アイヒマン)
(ナレーション)
 ナチス・ドイツが、ユダヤ人をなぶる異常な残酷さーこういった
ことを行ったドイツ人は、どのような人々だったのだろうか?
 戦後、イェルサレムの法廷にアイヒマンが現れたとき、傍聴席につめかけた人々は思わずどよめいた。アイヒマンは”悪魔”ではなく
”普通の男”だったからである
実は、この”普通の人間”が、大量処刑の執行人にもなり得るところに、一番深く難しい問題があるのだ。平和な時代なら、平凡につ
つましく生きていたはずの人間が、歴史のある局面においては平然として大量の処刑計画を実行し得るのである・・・
なぜ、そのようなことが可能だったのだろうか?
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18〜33 スライド例3(ナチスの台頭)
スライド例3(ナチスの台頭)
スライド例4(アンネ・フランク)
スライド例4(アンネ・フランク)
*ナチスが台頭する歴史的背景について、スライドともに説明していく。
 インフレ、失業者の群れ、屈辱的ベルサイユ体制、アメリカに端を発する大恐慌・・・
*ドイツ人の中には、ナチスに積極的に抵抗した人々もいたこと、生命をかけてユダヤ人をかくまい、人間としての尊厳を守ろうとした人々もいたことについて触れる。
*アンネ一家もまた、名も無き人々の善意に支えられて生きていたことに注目させる。
リュートのための古代舞曲
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