福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -007/038page

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乾燥収縮による板材変形の説明用ソフトウェアの製作

科学技術教育部 高 澤 虎 信

1.はじめに
 新学習指導要領の「木材加工」領域では[木材の特徴について指導すること]としており,それを受けて,指導書では[木材の特徴]の内容として「吸湿や乾燥によって寸法が変化すること,寸法変化に異方性があることを知らせる]と示している。
 現行教科書の中では,乾燥による木材の収縮変形に関する事項について図1のように記載されている。

図1 収縮による変形
図1 収縮による変形

 しかし,この教科書に記載された資料,つまり変形した板目板の図と収縮率の違いを結びつけるのは難しい。それで図2のように紙を扇のように細かく折り畳んだものを使ってイメージ化を助けていた。

図2
図2

 この扇型説明教具は,円周方向の収縮によって板目板が変形していく経過を見ることができ,収縮率の違いによる変形をイメージ化させるのに良い教具である。しかし半径方向の収縮を考慮していないという難点がある。
 そこで,半径方向の収縮も考慮してイメージ化を効果的に行える教具はないものかと考えていたところ,担当講座の中で製作していた木材収縮の異方性を説明する教具にヒントを得て,[乾燥収縮による板材変形の様子を視認できるパソコン用ソフトウェア]を制作することにした。

2.木材収縮と木材の変形
 変形の種類として,干割れ,幅反り,ねじれなどがあげられるが,ねじれは旋回木


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