福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -018/038page
学校カウンセラー講座(中級)を受講して
いわき市立中央台北中学校
養護教諭 永井美也子教育相談講座の初級を受講したのは,今から9年前思いおこせは,新任校で生徒の対応に四苦八苦していた時,生徒たちに新しい目を向けることの大切さを学んだ講座でした。その後,月日が流れた今,毎日の生徒の対応に追われるばかりで,あのころの気持ちを見失いかけていたように思います。言葉で言えない,来室できない生徒の心の訴えを聞くことができているだろうか。心の訴えに気づくことができていただろうかという不安がよぎり,本講座を受講しました。目には見えない心の扉をノックすることの難しさ,それを受け取めることの大切さ,その事を見つけだすための技法,そしてその技法の習得と,一日一日受講するにつれ,その世界に引きずりこまれると同時に不安も募ってきました。
ロールプレイングでのカウンセラーとクライエントの関係やそれを見守るもう一人の役割を演じる事で感じた緊張感。生徒たちも同じなのかもしれない。保健室という限られた場で接することの多い私たちは,より多くのふれあいをみつけ,私自身両手を広げ待っていられるような,そこへ生徒が飛びこめるような,そんな場を数多く作っていきたいと思いました。
最後に,常に温かく見守りご指導して下さった諸先生方に深く感謝申し上げます。教師の工夫,子どもの工夫
理科現地講座に参加して
長沼町立長沼小学校教諭 柳 沼 啓 之
最近,理科や図工等で市販の教材を利用して指導する機会が多くなった。準備の手間の点から考えるとはるかに簡便であるのは確かである。
「昔は,学校の準備物が大変で,家の物置をひっくり返したり,山に行って木を切ってきたり苦労したが,今では何でもそろっていて楽だけど,どの作品も同じような感じで,作品も大切にしない。」と言うある保護者の話は耳が痛い。
理科の現地講座に参加する機会を得て,完成品の教材ではなくて,指導の先生方の工夫がなされている教材の利用の仕方や製作の仕方などについて数多くの研修があり,驚きと反省の連続の二日間であった。
例えば,電子レンジを利用した押し花づくり,アクリル板による透明水槽の製作,月の動きと月の形のモデル実験器の作成,あるいは実際に観察をしながらの研修など取り上げていったら切りがないほどの豊富な活動であり内容の充実した活動であった。
教師の工夫,児童の工夫で作り上げていく教材教具は,私自身が現地講座で高めた興味・関心,活動の意欲と同様に子どもをきっと高めることができると思う。
簡単な材料から「工夫」という接着剤で作り上げる大切さ,実際に経験する大切さを改めて学ぶことができた二日間であった。