福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -021/038page
プロジェクト研究紹介
個を生かす学年・学級経営に関する研究
(第2年次)学校経営部
1 今年度の研究内容
個を生かす学年・学級経営とは,児童生徒が学習・生活する基盤としての学級集団をよりよいものにしていく営みの中で,それぞれの持つ個性・能力を最大限に発揮できるよう指導・援助することである。そのために教師はまず「個の存在」をかけがいのないものとして認め仲ばしていく努カが必要である。また,児童生徒一人一人が他人のよさを認め合い,自分のよさについても自覚し,伸ばすべく努力していくような経営につとめることである。
そのための試案として,次の「4っの視点」を設定し,学年・学級経営改善に努力した。
○ 視点1個の存在を認め大切にする
○ 視点2個の特性をとらえ生かす
○ 視点3認知的側面と情意的側面との調和ある活動にする
○ 視点4個性豊かな生き方のための基礎・基本を習得させる
本年度は3年次計画の第2年次にあたり
「個を生かす学年・学級経営の在り方」の解決を求めて,研究協力校の実践をもとに「4つの視点」から指導することの効果や有効性を明らかにしようとした。
まず,具体的な指導・活動事例を収集・開発し,「個を生かす学年・学級経営アイディア集」としてまとめ,研究協力校に実践してもらった。
その結果,次のことがわかった。
〇 4つの視点が個々別々に作用し合うのではなく,相互に関連し合っている。
○ アイディア集を活用する際,「個を生かす経営」を心がけることが肝要である。
○ 小・中・高校どの学校でも,誰でも実践できる内容である。
○ 教師の児童生徒に対する「おもい」が「個を生かす」重要な要素である。
以上のことから,「個を生かす学年・学級経営一を実現するために「4つの視点」から指導していくことは,有効であると言える。2 次年度への展望
次年度は,次の内容について研究していく。
○ 「個を生かす学年・学級経営」の指針となるよう指導・援助活動の在り方を一層明らかにするとともに,指導事例や活動事例の収集・開発に継続してあたる。
○ 個を生かす4つの視点間のかかわりについて実践をもとに明らかにする。
○ 児童生徒の「特性・よさ」を見いだす方法を研究・開発する。
○ 「個を生かす学年・学級経営一日編」を作成する。