福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -024/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

事例を通した教育相談の進め方に関する研究
開発的な指導援助の在り方
(第2年次)

教育相談部

 本研究は,児童生徒の将来の向上のために,児童生徒の持っている可能性を認識させ,その能力を発揮できるように指導援助するための「開発的な指導援助の在り方」を3年計画で追究するものである。
 本年度は,第1年次の研究で明らかにした開発的な指導援助の6っの要点と基本的対応に基づき,実践を通して具体的な内容・方法の在り方にっいて研究を進めた。

研究内容
(1) 開発的な指導援助の6つの要点について,児童生徒の意識調査(事前調査)を実施し,その結果を上位・中位・下位群に分けて学級の実態を分析した。そして,個々の児童生徒のプロフィールを作成し,指導援助の方向の設定や実践案を作成するための資料にした。

(2) 6つの要点の中から,「所属と愛情」ではr力を合わせて長縄跳びの記緑に挑戦」『心を合わせてリレー・マラソン42,195q』,「自己理解」では『自分を知ろう』,「自尊」では『私にもあなたにも良いところがあるはずだ』,「将来への向上」では『人生の先輩に学ぼう』というテーマで実践案を提示した。

(3) 指導援助の実践は,研究協力校の累積した観察,面接の記緑や,それぞれの要点に関する児童生徒の意識調査(事前調査)から,個人のプロフィールや学級の実態を把握し,実態に応じたテーマを決めて実践案に基づいて実施した。
実施後,作文,日言己やそれぞれの要点に関する児童生徒の意識調査(事後調査)の結果から,個人のプロフィールの変容,学級の変容を分析し,実践内容・方法の効果を調査した。

(4) 各実践事例ごとに,開発的な指導援助の内容・方法の効果をみると,特に中位・下位群に大きな変容がみられた。このことから,それぞれの要点をもとに実践したテーマの内容・方法が,開発的な指導援助として効果があることが分かった。

 第3年次は,第2年次での研究をもとに,様々な学習活動場面での計画実践案を作成し,その実践案に基づいて研究協力校で実践を深め,開発的な指導援助の在り方についてまとめる予定である。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。