福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -025/038page
学校からの実践報告
大学入試センター試験における平面のベクトルを
効果的に指導するための資料の工夫
一教科書の内容をどこまで学ばせればよいかー福島県立白河女子高等学校教諭 坂上 正美
1.はじめに
大学入試センター試験も3回をむかえこれが出る頃には,大学入試も終っていることと思います。当初の共通一次導入の精神はどこへやら,現場の我々教師と生徒にとっては,実に頭の痛い時期がやってきました。
現状から逃げられない受験生を抱え四苦八苦している毎日ですが,今回このような機会が与えられましたので,日ごろ指導している授業の中から,特に女子の苦手とする数学πの「平面のベクトル」の受験対策に使っている「まとめの資料」を紹介し,参考にしていただければと思います。教える側からは,ごく当り前のことでも生徒側からは,そうでないという内容が数学にはとても多く,これもその一例かと思います。2.資料のねらい
(2)<外分> その1(省略)
生徒のベクトル嫌いを生む要因は,様々あるようですが,ベクトルについていえば
(1)単なる計算ではすまない内容である。
(2)今まで学習した数学とは全く概念が異なる。
(3)「向きと大きさを持っ量」とは一体なんなのか,なかなかイメージできない。等々。
特に今までの記号とは全く異質な矢印を使う量にとても抵抗感があるようです。しかも,その内容が,使う場面で異なる形の表現を使うため生ずる混乱が,苦手意識に拍車をかけているように思われます。そこで,この資料では,「結局,視点を変える」ことで形が異なるだけで,それらは同じものとしてまとめられる。という事実を認識してもらうことにあります。
3.展開資料
(1)
(3)<外分> その2(省略)