福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -003/038page

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等。

 さて,対応のポイントは「Aはなぜ足を出して引っ掛けたか?」ということの理解であろう。そうした行動が起こるのには,それだけの理由がある。その理由の理解に努めるわけだが,相手は行動の動機を正しく,語ってくれるとは限らない。いや,自分でもその動機を正確にとらえられずにいることもあるかもしれない。
 Aは「わざとやったんじゃないよ!たまたま足を出したら引っ掛かったんだよ!」というかもしれない。「嘘をついているんだろう!」「本当のことを言いなさい。!」と迫る権威的で威圧的な相手の前では,自分の行動の動機は語らないものである。
Aの真実の気持ちは「Bをねたみ,先生を怒らせてでも,自分に関心を引こうとした」かもしれない。「自分は先生や級友から,何をしても無視されていた。最近は,そうでもなくなったけど,今日は,Bばかりが特別扱いされているみたいで,無性に 腹が立ってきて,やってしまった」と告白するかもしれない。

続けて,グループ・ミーティングを経て,この演習の最後に実施した職員のふりかえりの結果を記す。
A:立場,立場での対応,お互い(AとB又は他の生徒にっいて)の気持ちを理解しての接し方を改めて理解できた。
B:解決方法には,一っのみということはなく,いろいろな方法で工夫してみること。当人,相手,周りの状況等と沢山ある中で,その場に何が一番大切かということをよくみきわめて対処する。
C:先入観で子どもをとらえがちである自分に気づく。又,ひとつの問題を解決するにあたり,一人だけでは対応しきれない事はあまりにも多くある。やはり皆と連携し,より良い対応を考えていきたい。
D:内容をよく把握して,どのような状況なのかを理解して,子どもと対応していくことの大切さを改めて感じさせられる。問題解決という意識で事柄にあたろうとすると柔軟な対応がむずかしくなる。
E:一つの方向からしか問題をみていなかった自分に腹が立った。もっと違った方向から相手の立場になって考えればよかったと思う。
F:自分自身を基準に考えていることが多いようで,様々な感じ方があることをあらためて感じた。自分がちらっと見えたような気がする。
G:物事を先入観を持って見るのでなく自分で実際に見たり聞いたりして判断できるような柔軟な心で生きていたい。
H:子どもの気持ち,行為を理解することの難しさを感じる。
I:AとBへの態度のべ一スは,両方共に原因と動機を聞き,さらにそれをAとB,クラスに返していく方法は好ましいと思うが,問題はそれを見たとき,第一義的態度をどうするかといった事


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