福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -005/038page

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所員個人研究一(中学校理科)

中学校における少数台数のコンピュータ活用の在り方
一天体学習におけるシミュレーション機能を生かして一

学校経営部 唐 木 義 則

I はじめに
 理科学習とパソコンの関係にっいて,学習指導要領では,「各分野の指導に当たっては,観察,実験の過程での情報の検索,実験データの処理,実験の計測などにおいて,必要に応じてコンピュータ等を活用するように配慮するものとする」と述べられている。このことは観察,実験等を行う過程でパソコン等を,自然の事物・現象を調べる活動を支援し,強化し,触発することを助ける知的で創造的な道具として位置づけ,利用することであると考えることができる。
 そこで,下記のような研究の見通しを設け,理科学習におけるパソコンのシミュレーション機能の活用を追究した。
 このことは,現在,各学校で保有しているパソコン活動の在り方を探ることにもつながると考えた。
研究の見通し
少数台数のパソコンでも即製ソフトウェアを,いくつかのシミュレーション機能を持ったソフトウェアに改善し,指導過程のそれぞれの段階で,機能を生かすように活用すれば生徒の興味・関心は高まり,意欲的に課題解決に取り組むであろう。

II 研究内容と基本的な考え方
1 本研究では,下記のような問題点がある天体の学習を取り上げ,シミュレーション機能を生かした授業を計画した。
(1)時間的,空間的に広大であり,理科室で天体の運行を再現できない。
(2)夜間,家庭において,継続的に観測することが必要となり,正しい観測及びそれに基づく正確な記録が取れない。
(3)生徒は観測者として,その視点,位置を地球の外側に置くことができない。
2 シミュレーションソフトの指導過程への位置づけ
1つのシミュレーションソフトを指導過程の4場面で活用することを考え,4類型のシミュレーションとして位置づけた。

<指導過程の各段階への位置づけ>
指導過程の各段階への位置づけ


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