福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -008/038page
所員個人研究一(小学校社会科)
体験的な活動を取り入れた社会科学習指導
一アンケート調査からみる体験的な活動の問題点一学習指導部 白岩二朗
1 はじめに
小学校社会科の特質は何だろうか。
地域素材の教材化を図り,観察,調査・見学などの体験的な活動を重視していることはその一つではないだろうか。「地域学習」といわれる3,4学年の杜会科においては,この体験的な活動が特に重視されているといえよう。
博物館や郷土資料館の活用とともに,身近な地域の遺跡や文化財の観察,調査・見学などの体験的な活動は,実物に触れたり,実際の場面を見たりすることによって,社会的事象を具体的に理解させるという意味がある。
このことは,今回の学習指導要領の改訂においても重視されている。
そこで,現在の社会科の授業において,この観察,調査・見学などの体験的な活動がどのくらい取り入れられているのか,各学校での方法,学年間の特徴,地域素材の教材化等について,
(1) アンケート調査
(2) 単元配当表の分析
を行い,現在の社会科の授業の問題点を整里し,今後の課題を明確にするとともに,体験的な活動を積極的に取り入れていくための方法を探りたいと考えた。
2 研究の実際
管内別学校数や学校規模などを考慮し,県内の小学校にアンケートをお願いした。
表1(アンケート調査依頼校内訳)
対象学年3,4,5,6学年
管内 校数 県北 20 県 中 25 県 南 10 会 津 20 南会津 5 相 双 10 いわき 10 合計 100
同答数
(1)アンケート調杳 92校
(2)単元配当表 50校
(1)アンケートの結果
観察,調査・見学などの体験的な活動が大きな意味をもつ3学年と4学年における体験的な活動の回数等は,次の表2一(1),表2一(2)のとおりである。