福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -014/038page

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学習し,コンピュータ活用の有効性が証明された授業であった。
(8) 事前事後調査の結果より
調査項目には,文部省の中学校指導書道徳編第5節内容項目の指導の観点2の(2)と4の(5)から主題に関連する内容を抜き出して設定した。
 結果については,グラフのとおりすべての項目で伸びがみられた。特に,キ,工,アの項目についての伸びが顕著だったことは,授業のねらいと適合しており,深く感動を与えれば道徳的実践意欲が高まっていくことが明らかになった。
家族愛,人間愛に関する事前・事後の実践意欲の変化
家族愛,人間愛に関する事前・事後の実践意欲の変化
一注釈
調査項目の内容
ア 人はお互いに助け合い協カしあうことが,大切である。
イ 他人の立場を尊重することは大切である。
ウ 困っている人を見ると,親切にしたり励ましたりしたい。
工 小さな時の家族との思い出は大切にしておきたい。
オ 自分の今日があるのは,両親をはじめ家族の深い愛情があったからと思う。
カ これから,家族の中に役割を持って協カしていきたい。
キ 家族の間の温かい話し合いづくりに目分も努めたい。
表中の数値
ア〜キの各項目に()内の基準で答えさせた学級合計の平均値
(1全然思わない。2そうは思わない。3そう思う。4やや強く思う。5とくに強く思う。)
生徒の感想

B子
B子

B男
B男

4 まとめと今後の課題
(1) 道徳の授業においても,指導方法,教具,資料等を改善して実践すれば,驚くほど生徒たちの意欲や道徳性が向上することがわかった。
 特に,意識化の段階でコンピュータの特性を生かした速やかな処理とグラフによる具体的な提示は非常に有効であった。また,コンピュータと他のメディアを組み合わせた資料,発問の提示は資料内容の理解と生徒の心情の深まりに効果的であった。
(2) アンケート等の入力に関しては,ある程度生徒のコンピュータ操作能力を高めておくか,できるだけ操作の簡単なソフトウェアを開発すべきである。
(3) 今回は,道徳的心情を深めるためのソフトウェアであったが,今後は,道徳的判断力を高めるために,多くの葛藤場面を想定したソフトウェアを開発し授業に活用していきたい。


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