福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -022/038page
る。
<資料3 上郷よい子の1,2,さんすうの実際>
「学習のまとめ方」の工夫としては,スケール表を用い,自分の言葉で本時のまとめをさせると同時に,自己評価させたことによって,理解したことと理解できなかったことが自覚でき,自分の課題を明らかにつかむことができるようになった。
また,「上郷よい子の1,2,さんすう」の実践では,同質の能力をもつグループの中でよい意味での競争意識が芽ばえ,学力も向上してきている。
さらに、グループ学習やリトルティーチャーを経験することによって,自分の考えが深まると同時に学習意欲が高まってきた。
4.おわりに
以上のように,授業研究を中心とした共同研究と日常の授業における個々の研究を通して実践を積み重ねてきた。
その結果,児童においては,解決の見通しをもって自力解決にあたるといった問題解決的学習の仕方が身についてきた。
さらに,反応予測をもとにした個別的な指導・援助により,下位児ばかりでなく上位児も意欲的に学習に取り組み,互いに学び合おうとする態度が育ってきた。
また,教師側の変容として,子ども一人一人の自力追究を大切にした指導を心がけてきたことにより,教える授業から学びとらせる授業へと質的転換を図ろうとする機運が高まってきたことがあげられる。この機運をより確かなものとするために,今後も実践を重ねていきたい。