福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -027/038page
研修者研究報告〈教育研究法講座〉
英語で積極的にコミュニケーションしようとする態度を育てる指導
〜「聞くこと」の言語活動にアナライザー的要素を取り入れて〜喜多方市立第一中学校教諭 瓜生幸男
1. 研究の趣旨
(1) 研究の動機とねらい
国際化の進展に対応し,国際社会に生きるために必要な資質を養うという観点から,コミュニケーション能力の育成が重視されている。中学校の新学習指導要領では,英語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を目標のひとつとしている。その態度を育成するためには,言語活動の質や量を改善・工夫する必要がある。
毎日の授業を振り返ってみると,「話すこと」の言語活動は,かなり工夫して指導してきた。しかし,「聞くこと」の言語活動は,生徒が意欲的に取り組むような工夫が十分ではなかった。
そこで,「聞くこと」の言語活動の改善・工夫をして,コミュニケーションの基盤となる聞く力を高めれば,積極的に英語でコミュニケーションを図ろうとする態度が育成できると考え,この主題を設定した。
(2) 問題点
1.英語で積極的にコミュニケーションしようとする態度が十分でない。
2.「聞くこと」より「話すこと」の指導のみに重点を置いてしまいがちである。
(3)原因
1.「聞く力」が不足しており,聞いたことに対して,応答する体験が少ない。
2.「聞くこと」の言語活動の実践と研究が不十分である。
2. 研究仮説
(1)仮説
「聞くこと」の言語活動において,「分析カード」を活用した授業を積み重ねれば,生徒の英語を聞いて理解する力が向上し,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が育成できるであろう。
(2)仮説について
1.積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成には毎日の授業における言語活動の充実が必要である。
2.「分析カード」は,生徒が英語を聞いてどれだけ理解できたかを,教師側と生徒側との双方から評価する手段,消極的になりがちな「聞くこと」の言語活動を活性化する手段,として使用する二種類の色別のカードのことで,これを「聞くこと」の蕎吾活動の改善・工夫の中心とした。
3. 研究計画・…………(略)