福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -030/038page
研修者研究報告<学校経営(A)講座>
教育目標(思いやりのある子ども)の具現化を図る
学年・学級経営の援助指導桑折町立半田醸芳小学校長
(前福島市立北沢又小学校教頭) 小 平 光 雄1.研究の趣旨
本校の教育目標5つの領域の1つ「思いやりのある子ども」について,各学年学級において,実践内容に一貫性を持たせるようにし,推進者,実施時期,評価の観点など明確にしてその具現化に取り組んでいる。
しかし,児童の日常活動や学習の中で相手の立場や気持ちを考えないで行動したために,相手の気持ちを傷つけたりする行動がなくならず,その成果は横ばい状態である。
このことは,児童の他人を思いやる意識の低さからくるだけでなく,教職員が教育目標として大きくとらえてはいても,学年・学級経営の中で目標具現化への方策が,意図的・計画的に講じられていないところに原因があるものと考えられる。
そこで,次のような点について改善する必要がある。
・目標の項目内容が多く一般的である。
・目標具現化への手だてとして,学年・学級・児童へまで具体化されていない。
・指導の具体的な時期,場などについての話し合いが不十分で指導の累積が少ない。
これを解決し,改善を図るため,教頭として,教職員に対して,児童一人一人に教育目標「思いやりの心を育てる」ことの必要性と指導の在り方を理解させ,学年としての指導体制を確立し,学年・学級経営の改善を図ることにより,教育目標の具現化が図られるであろうと考え本主題を設定した。
2. 研究の見通し
本校児童の,教育目標「思いやりのある子ども」の問題点を的確に把握し,実態に即した指導計画を作成し,学年・学級で一貫性のある指導ができるように援助指導すれば,一人一人の児童の他人を思いやる意識や態度が育成されるであろう。
3.研究の方法と対象(省略)
4.研究内容と推進計画(省略)
5.研究の概要と考察
(1)現状把握と問題の分析
1.教育目標に対する意識調査
(児童・教師,保護者対象省略)
2.調査結果の考察
ア 本校の教育目標や学級目標が教室に掲げられているが,児童にはあまり意識されておらず,理解が不十分である。
また,教育目標具現に向けての教師の手だてについても児童一人一人にまで具体化されていない。