福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -005/038page

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個を生かす学年・学級経営に関する研究

(第3年次)

学 校 経 営 部

 

1.今年度の研究内容

 過去2年間にわたる研究から,「個を生かす学年・学級経営」の前提である「個のよさを見いだし,伸長する」手だての解明が課題となった。そこで,「個の特性」つまり「よさ」に焦点を当て,「よさを見いだす手だての工夫」及び「よさを生かし,伸長する支援の在り方」について研究協力校の実践を通して究明した。
 また,昨年度作成した「個を生かす学年・学級経営アイディア集」を学級担任が活用しやすいように,1日の活動の流れに沿って「いつ,どこで,何を,どのようにすればよいのか」を「1日編」として具体的にまとめた。

(1)よさを見いだす手だての工夫について内面的で見えにくい「よさ」を見いだす手だてを,「使用しやすい,効果がある,一般性がある」との3条件のもとに選定・開発を進めた。その主なものは次のとおりである。
 ○よさのレーダーグラフ
 ○いいこと見つけたカード
 ○聞いてねカード


(2)よさを生かし,伸長する支援の在り方について
 一人一人のよさが見いだされ,学級の中でそのよさが生かされるようになるまでには,本人の努力や教師,級友の支援が必要である。この支援の在り方として,以下の内容が効果的であることが実証できた。
 ○よさを認める
 ○よさに気付かせる
 ○自信を持たせる
 ○よさを一層伸長させる
 ○学級全体で支援する
 ○学級経営の中心に据える

 学年・学級は児童生徒にとって生活・学習のすべての基盤である。主体性や社会性育成の場,個性伸長の場でもある。これらのことを基底とした研究「個のよさを見いだし,伸長する手だて,在り方」の成果は「一人一人の個性を生かす学年・学級経営」の充実策として有効であることが明らかになった。


2.次年度研究の方向

 社会の要請にこたえる新しい学校づくりについての調査・研究を通して,その実態・課題を明らかにし,社会の変化に対応する学校経営の在り方を具体的にまとめる。
 研究主題を「杜会の変化に対応する学校経営の在り方に関する調査・研究」とする。


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